そばにいること(第148回)
学生時代を振り返ってふと思うのは、「人って自分のことを心配している人の話ほど聞かないな」ということだ。「その人は絶対君の事を考えてくれていない」という人の話は聞くのに、どうしてなのだろうと、当時の自分について考えていた。
思ったのは、「少しでもたくさんの人にそばにいてほしい」という気持ちの表れだったのかな、ということだ。そこまで関係のできていない人だと、言うことを聞かないときっと離れていってしまう。一方、親身になってくれている人は、言うことに耳を貸さなくてもきっとそばにいてくれる。そんな「甘え」がこうした行動をとらせていたのかも、と思う。
大事なのは、そばにいてくれる人の「数」なのか、それともそばにいてくれる「人」なのか。それに気づくのに、腹ペコは6年ほどかかった。今、当時の自分に会えるとしたら、「そうやって甘えられる人がいるという事実をもっと大事にしてね」と伝えたいなと思う。