電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

朝日土曜版に「個人情報取り扱い注意」

2005年12月03日 11時06分38秒 | コンピュータ
朝日新聞の土曜版beに、「あなたもうっかり漏らすかもしれない」「個人情報取り扱い注意」「仕事熱心から処罰も」「最後は人間関係」などという見出しのついた記事が掲載(*)された。この手の記事には普通なのかどうか、松浦新氏の署名入りである。
パソコンを盗まれると被害者だが、そのパソコンの中に仕事で集めた個人情報が入っていると、会社や社会に損害を与える加害者になる。公表されている関連事件の大半はうっかりミスであり、仕事でパソコンを使う人には他人事ではない、という趣旨のようだ。たいへん要領よくまとめられており、参考になった。

ふと感じることだが、多くの事件の報道を見るたびに、管理的な立場にある人や部門が、個人情報の取り扱いに関して充分に機能していない例が多いと感じる。これはなぜだろうか。たとえば、本記事中でも、銀行の中堅行員が自宅で融資先管理の仕事をしていたところ、パソコンが調子が悪くなったので交換してもらった。すると、中古となったパソコンから情報の漏洩が起こったと言う。また、愛知県の小学校の教務主任が自宅に持ち帰った全校生徒の名簿データ等が、自宅のパソコンがウィルスに感染したために流出してしまったという。

たぶん、従来の管理職や部門のやり方は、人を管理し仕事ぶりを評価することが主体であった。だから、こうした人たちは、熱心な仕事ぶりで高い評価を得ていたことだろうと思われる。だが、業務プロセスとして評価するならば、情報を職場から持ち出して日常的に作業していたという点で、これらの人たちのやり方は掟破りである。むしろ、自宅に持ち帰らないと間に合わないような事態を改善することに、管理職や部門としての課題があるというべきだろう。組織・機構をいじるだけでは問題は改善されない。管理職や部門は業務のプロセスを管理することが主眼であって、情報化の時代に、熱心であるとか根性があるとか、表面的な人的評価を主体とする管理では問題であるとするのは、厳しすぎる見方だろうか。これは、自戒の意味も含むけれど。

(*): 朝日新聞土曜版の「個人情報取り扱い注意」の記事
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