電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

モーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」を聴く

2012年03月15日 06時08分10秒 | -オーケストラ
モーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」は、映画「アマデウス」でも効果的に使われておりました。格別な理由はありませんが、春を迎える季節に、なんとはなしに通勤の音楽に選定した次第。演奏は、ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団です。

この曲は、第2ハフナー・セレナードを改作して、ウィーン進出と予約演奏会に間に合わせるべく、1782年に作曲されたものだそうです。初演は、1783年3月、指揮はモーツァルト自身だったとか。
楽器編成は、Fl(2), Ob(2), Cl(2), Fg(2), Hrn(2), Tp(2), Timp., 弦5部。モーツァルトが、第31番以来しばらくぶりに書いた、オーソドックスな二管編成の交響曲だといいます。

第1楽章:アレグロ・コン・スピリート。
第2楽章:アンダンテ。
第3楽章:メヌエット。
第4楽章:フィナーレ、プレスト。

クーベリックが指揮するバイエルン放送交響楽団の演奏は、第1楽章の繰り返しを省略しているようで、古い時代のモーツァルト演奏の伝統を、20世紀後半におけるモダン・オーケストラで表現した最良の成果の一つであろうと思います。アンダンテはあくまでも優しく柔らかく高雅に、メヌエットも優美なものです。長距離通勤のお供には、眠気を誘う場合があるという点で、あまり良い選択ではないかもしれません。鋭いリズムで活気あるピリオド奏法による演奏の方が、むしろ通勤の音楽には適しているのかも。でも、自宅でゆっくりとくつろぎながら、つい30年ほど(^o^;)前のことを思い出すには、格好の音楽であり、演奏であるように思います。

手元にはもうひとつ、ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団のCD(EMI TOCE-4082)もあります。1981年の6月にロンドンのアビーロード・スタジオでデジタル録音されたもので、第1楽章の繰り返しを行っているようで、クーベリックよりも倍近い演奏時間となっています。演奏スタイルは、現代のピリオド・アプローチとは異なりますが、映画「アマデウス」を彷彿とさせる、明暗の対比をつけた演奏となっています。

■クーベリック指揮バイエルン放送響
I=5:45 II=9:04 III=3:13 IV=4:03 total=22'05"
■マリナー指揮アカデミー室内管
I=10'42" II=8'14" III=4'01" IV=5'14" total=28'11"
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