電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

一年間、震災報道を見聞きして

2012年03月13日 06時02分35秒 | Weblog
東日本大震災の後、様々な報道が行われました。ふだんはあまりテレビを見ない私の場合、最も印象に残るものは、NHK総合テレビでお昼のニュースの際に放送される、被災地関連ニュースでした。とくに、盛岡からの「あの日、あの時」は、津波の被災者の証言を丹念に集めたもので、番組企画の立ち上がりの早さと粘り強い報道姿勢に、強い感銘を受けました。

巨大地震と大津波が沿岸を襲った3月11日、あの日、人々はどう行動し、そしてあの時を境に何を思うようになったのか、被災者の証言、「あの日、あの時」です。

主として村上由利子アナウンサーが担当することが多いこの短い番組枠の中で、生々しい証言が積み重ねられてきました。一言で言えば、「津波、てんでんこ」に集約されてしまうのかもしれませんが、それぞれに様々な事情がある中で、巨大な地震と大津波に襲われてしまったことがよくわかりました。

この被災地関連ニュースは、東北地方だけの枠なのか、それとも全国放送されているのか、そのあたりは不明ですが、その後、宮城県でも多くの証言が集められるようになりました。ところで、なぜか福島県では、津波や原発事故避難者の生の証言を丹念に集めて報道するという形にはなり得ていず、盛岡や仙台局の報道とはやや趣きを異にしているようです。それだけまだ混乱の渦中にあるのか、それとも様々な配慮・遠慮がはたらいているのか、よくわかりません。一視聴者としては、様々な思惑や遠慮、あるいは単純な賛否を超えて、被災あるいは避難した人々の生の声を、もっと丹念に集めていくことが大切なのではなかろうかと感じます。もしかすると、福島の問題の深さと広がりに対して、地方局の力では、取材報道や制作の人手が絶対的に足りていないということなのかもしれませんが。

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