電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ミシェル・ダルベルトの演奏でシューベルト「ピアノソナタ ハ長調 D.613」を聴く

2014年12月05日 06時01分38秒 | -独奏曲
このところ、通勤の音楽として聴いているのは、ミシェル・ダルベルトが演奏したシューベルトのピアノ曲から「ピアノソナタ ハ長調D.613」です。「さすらい人幻想曲」のCDに収録されたもので、未完に終わったD.613のソナタを両端楽章とし、間にD.612の美しいアダージョを配置した形で演奏されており、なんとも不思議な優しさを持った音楽として聴くことができます。

第1楽章:モデラート。冒頭は、どこかで耳にしたような、ベートーヴェンのソナタを連想させるものですが、しだいにシューベルトらしい世界に入っていきます。まるでベートーヴェンのようではありません。だから、諦めて未完のままに放置したのでしょうか(^o^;)>poripori
第2楽章:アダージョ、ホ長調。これは、美しい音楽ですね~。
第3楽章:アレグレット。本当は速度の指示はないようなのですが、ここではアレグレットで、という解釈のようです。このCDでは、演奏の最後が楽譜通り唐突な終わり方ですので、ああ、遺作断片なんだなと感じられます。

この実にチャーミングな音楽を聴くと、ミシェル・ダルベルトがこの曲を録音しようとした意図が、なんとなくわかるような気がします。他のピアニストでこの曲を録音している人はあまり多くないようで、その中では、NAXOS のマルタ・デヤノヴァ盤(*1)は、曲を補筆完成して録音しているそうです。

私が聴いているのは、1993年1月と翌1994年1月及び6月に、DENONによってスイスのコルゾー、サル・ド・シャトネールでPCM収録されたデジタル録音で、COCO-70700 という型番のCDです。

(*1):NAXOS Music Library より、F. Schubert Piano Sonatas No.7-21, Marta Deyanova

YouTube にも、いくつかの録音や動画がありました。
まずは、第1楽章:
Franz Schubert - Piano Sonata in C major, D 613 - I. Moderato


続いてこのCDでは第2楽章として扱われた、D.612 の美しいアダージョ。残念ながら演奏者は違いますが(^o^;)>poripori
Schubert - Adagio in E Major, D. 612 (for piano)


最後に、未完の第3楽章(純粋には第2楽章):
Franz Schubert - Piano Sonata in C major, D 613 - II. Without tempo indication

ただし、この演奏では誰かが補筆してあるようで、唐突な終わり方にはなっていないようです。

マルタ・デヤノヴァ(Pf)の演奏動画もありました。
Marta Deyanova Schubert Unfished Sonata D 613.wmv


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