電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

「ライトノベル」と一口に言うけれど〜『本好きの下克上』の面白さ

2020年01月04日 06時02分07秒 | 読書
この年齢になってから、『本好きの下克上』という物語にハマりました。はじめはWEB 上で、次は紙の書籍を全巻購入して楽しんでおります。紙の書籍ならば区切りがつけやすいけれどWEB上でだと途中でやめるのが難しく、特に中高生の場合は生活に支障をきたす可能性があります。年末年始休業などの長期休暇中ならばいざ知らず、期末試験の直前などは最悪のタイミングになるだろうと、60代後半のジイサンが余計な心配をするほどです(^o^)/



ところで、この物語は「ライトノベル」というジャンルに属するものだと思いますが、どうも一口にライトノベルと言っても、同じではないようです。この作品以外の、いわゆる「なろう系」と呼ばれるライトノベルを二、三読んでみたのですが、いささか物足りない。それは、誤字脱字が散見されるとか、流行りの言い回しが多いとかいうようなものではなくて、なんというか、率直に言って文章や内容に品がない。

その点、『本好き』は誤字脱字や言い回しのヘンさがごく少なく、著者の教養を感じます。内容的にも、貧しい兵士の娘に転生した幼女が、「本を読みたい」一心から紙や印刷技術を作り出し、階級や魔術が存在する中世風のファンタジックな世界を変えていく話で、いい大人が読んでもさほど違和感がありません。私は見ていませんが、この秋に始まったアニメもだいぶ人気なのだとか。書籍のほうでも、ジュニア向けに総ルビの新書判が開始されたり、英語、中国語、ハングルなど海外版の展開も順調のようで、少々大げさに言えば日本発『ハリーポッター』になりそうな勢いです。

「ライトノベル」と一口に言うけれど、香月美夜著『本好きの下克上』シリーズは別格に面白いです。

コメント (4)