電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

歯磨き習慣と世代の差

2020年07月02日 06時01分40秒 | 健康
現代の若い人たちは、おしなべて歯がきれいでむし歯も少ないようですが、年配者、とくに70代以上の人たちは、むし歯や歯槽膿漏、入れ歯など、歯や歯ぐきの悩みが多いようです。その原因としては、時代背景や境遇、家庭環境などの要因が大きいとは思いますが、もう一つ、「歯みがきの成分の変化」の要因も見逃せないと感じます。

昭和30年頃だったでしょうか、父親など大人が使う「歯磨き粉」はまさに粉末で、歯ブラシに付けて使うものでした。子供にはピリッと辛い、あまり好まれないもので、たぶん弱アルカリ性を示す粉石けんのようなものを含み、舌を刺激する傾向があったのではないかと思います。当然のことながら、この頃の子供たちは歯磨きを嫌って逃げたのでしょう。


 (ラウリル硫酸ナトリウム〜Wikipediaより)

ところが、サンスターやライオン等から、中性洗剤と同じ成分(ラウリル硫酸ナトリウム*1など)を配合し、イチゴやバナナの香りを付けた辛くない「子供歯みがき」がチューブ入りで発売されるにいたり、子供たちの歯磨き嫌いは急速に改善されていったのだろうと思われます。この境界線は、たぶん昭和30年ころに何歳だったかで分かれ、幼年期にあった世代は歯磨き習慣を持った人が多く、少年期以上の世代は歯みがきから逃げ出したのではなかったろうか。



今、8020運動などと言われているのはたぶんこの団塊世代の人たちが対象であって、まさに「歯みがきから逃げ出した世代」なのでしょう。今の若い人たちの立派な白い歯を見ると、時代の幸せを無意識のうちに享受しているのだなあと感慨を覚えます。当方、子供の頃はラウリル(またはドデシル)硫酸ナトリウム等の恩恵を受けず、「辛い歯磨き」から逃げ出した方ですが、後年に歯みがきの大切さを知って習慣化した、「遅れてきた歯磨き世代」で、せっせと歯磨きをしております。

(*1):ラウリル硫酸ナトリウム〜Wikipedia の解説

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