チェロの音色がお気に入りなもので、「チェロ名曲集」などという題名を見ると、ついつい手が伸びます。これまでも、チェロソナタやチェロ名曲集といった室内楽や独奏曲のCDを記事にしてきました(*1~*7)が、本日の、DENON の My Classic Gallery シリーズ中の1枚(GES-9260)は、ヤーノシュ・シュタルケルのチェロ独奏によるものが多く収録されています。
(1) サン=サーンス、「白鳥」
(2) シューベルト、「楽興の時」第3番 作品94-3
(3) ブロッホ、「祈り」
(4) ポッパー、「タランテラ」
(5) ウェーバー、「アダージェットとロンド」
(6) シューマン、「トロイメライ」
(7) カザルス、「鳥の歌」
(8) フォーレ、「シシリエンヌ」 作品78
(9) フォーレ、「夢のあとに」 作品3-3
(10)ポッパー、「ハンガリー狂詩曲」 作品68
(11)ファリャ、「火祭りの踊り」
(12)パガニーニ、「モーゼ幻想曲」
(13)カステルヌオーヴォ=テデスコ、ロッシーニ「セヴィリャの理髪師」より「フィガロ」
(14)グラナドス、「ゴイェスカス」間奏曲
特におもしろく感じたのは、シューベルトの「楽興の時」第3番や、ファリャの「火祭りの踊り」、パガニーニの「モーゼ幻想曲」、カステルヌオーヴォ=テデスコの「フィガロ」など。「楽興の時」第3番は、NHKラジオで日曜朝の「名曲の泉」とかいう超・長寿番組のテーマ曲に使われていたかと思います。これがチェロで演奏されると、なんとなく、しみじみと哀愁を感じさせる音楽になります。
ツルゲーネフに『父と子』という作品があります。田舎で父親が素人チェロを愛好しながら、自足した生活を送っている。息子はそれに満足せず、父と対立し、都会に飛び出そうとする。若い頃に読んだこの場面が、なんとも印象的でした。今、中年の息子として老父の検査結果を待ちながら、同時に若い息子を持つ父親の立場にもありますので、両方の「父と子」を重ね合わせ、歴史は繰り返されるのだな、という感慨を持ちます。
一方で、カステルヌオーヴォ=テデスコの「フィガロ」。ロッシーニの『セヴィリャの理髪師』中に出てくる例の「フィガロ、フィガロ、フィガロ」というアリアを、思わず唖然とするテクニックで演奏します。これなんぞ、ツルゲーネフの感傷をぽいっと吹きとばす勢いです。しばし唖然、呆然。なんともすごい演奏です。
全14曲のうち、(7)~(9)までの三曲だけが藤原真理(Vc)、岡本美智子(Pf)による演奏で、あとは全部ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)の演奏です。ただし、(1)~(6)は岩崎淑(Pf)、(10)~(14)は練木繁夫(Pf)と記載されています。
■これまで記事にしたチェロ独奏曲やチェロ主体の室内楽作品
(*1): J.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲第1番」を聴く
(*2): ヨー・ヨー・マ「愛の喜び」を聴く
(*3): シューベルト「アルペジオーネ・ソナタ」を聴く
(*4): ベートーヴェン「チェロソナタ第3番」を聴く
(*5): フランクのチェロソナタを聞く
(*6): 「風のかたみ~宮澤賢治へのオマージュ」を聞く
(*7): J.S.バッハ/チェロとチェンバロのためのソナタ
ヨー・ヨー・マ、リン・ハレル、ロストロポーヴィチ、フルニエ、藤原真理、シュタルケルと、演奏家も多彩。そういえば、マイスキーのCDは持ってないかもしれない。
写真は、路傍のタンポポの綿毛。クローズアップにすると、風情があります。
(1) サン=サーンス、「白鳥」
(2) シューベルト、「楽興の時」第3番 作品94-3
(3) ブロッホ、「祈り」
(4) ポッパー、「タランテラ」
(5) ウェーバー、「アダージェットとロンド」
(6) シューマン、「トロイメライ」
(7) カザルス、「鳥の歌」
(8) フォーレ、「シシリエンヌ」 作品78
(9) フォーレ、「夢のあとに」 作品3-3
(10)ポッパー、「ハンガリー狂詩曲」 作品68
(11)ファリャ、「火祭りの踊り」
(12)パガニーニ、「モーゼ幻想曲」
(13)カステルヌオーヴォ=テデスコ、ロッシーニ「セヴィリャの理髪師」より「フィガロ」
(14)グラナドス、「ゴイェスカス」間奏曲
特におもしろく感じたのは、シューベルトの「楽興の時」第3番や、ファリャの「火祭りの踊り」、パガニーニの「モーゼ幻想曲」、カステルヌオーヴォ=テデスコの「フィガロ」など。「楽興の時」第3番は、NHKラジオで日曜朝の「名曲の泉」とかいう超・長寿番組のテーマ曲に使われていたかと思います。これがチェロで演奏されると、なんとなく、しみじみと哀愁を感じさせる音楽になります。
ツルゲーネフに『父と子』という作品があります。田舎で父親が素人チェロを愛好しながら、自足した生活を送っている。息子はそれに満足せず、父と対立し、都会に飛び出そうとする。若い頃に読んだこの場面が、なんとも印象的でした。今、中年の息子として老父の検査結果を待ちながら、同時に若い息子を持つ父親の立場にもありますので、両方の「父と子」を重ね合わせ、歴史は繰り返されるのだな、という感慨を持ちます。
一方で、カステルヌオーヴォ=テデスコの「フィガロ」。ロッシーニの『セヴィリャの理髪師』中に出てくる例の「フィガロ、フィガロ、フィガロ」というアリアを、思わず唖然とするテクニックで演奏します。これなんぞ、ツルゲーネフの感傷をぽいっと吹きとばす勢いです。しばし唖然、呆然。なんともすごい演奏です。
全14曲のうち、(7)~(9)までの三曲だけが藤原真理(Vc)、岡本美智子(Pf)による演奏で、あとは全部ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)の演奏です。ただし、(1)~(6)は岩崎淑(Pf)、(10)~(14)は練木繁夫(Pf)と記載されています。
■これまで記事にしたチェロ独奏曲やチェロ主体の室内楽作品
(*1): J.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲第1番」を聴く
(*2): ヨー・ヨー・マ「愛の喜び」を聴く
(*3): シューベルト「アルペジオーネ・ソナタ」を聴く
(*4): ベートーヴェン「チェロソナタ第3番」を聴く
(*5): フランクのチェロソナタを聞く
(*6): 「風のかたみ~宮澤賢治へのオマージュ」を聞く
(*7): J.S.バッハ/チェロとチェンバロのためのソナタ
ヨー・ヨー・マ、リン・ハレル、ロストロポーヴィチ、フルニエ、藤原真理、シュタルケルと、演奏家も多彩。そういえば、マイスキーのCDは持ってないかもしれない。
写真は、路傍のタンポポの綿毛。クローズアップにすると、風情があります。
このDENONのMyClassicGalleryシリーズ、同じCDで僕も聴いています。
本を読んでいるときにBGMにするんですが、チェロの音は、気分が落ち着いていいですね。
チェロの音が、読書などに好適というのは、私もずっとそう思ってます。頭を使う時、BGMにチェロの曲は、なかなか良いです。ブラームスのチェロソナタ#1など、暗い曲ですが、これこそ、使えますね。
私にとってフルート以外に自分で弾いてみたい楽器の第一候補になります。そういえば先日いらしたフルートの高木綾子さんも、オケの楽器の中ではチェロが一番好きだとどこかで言っていらっしゃいました。山QのM木さんは芸大で同級生なのですが、今回は山響が演奏旅行に出ていましたね。
山響のチェロ奏者 ? 広京(シン グァンジン)さんも一枚CDを出しています。機会があったらお聴きになってみて下さい。てらいのない素直な音楽です。
それにしても、チェロの音色はパチンコ屋には合わない。それぞれの楽器の音色が、どういう業種には合って、どういう業種には合わないのか、心理学的に興味深いです(^o^)/
パチンコ屋ではラッパ部隊の軍艦マーチ、結婚式場ではメンデルスゾーンっていうのはすでに古いのかもしれませんが、「誰も寝てはならぬ」が流れているホテルよりはいいかもしれません(^o^;)>poripori
昔聞いた、近鉄の鈴木啓示投手の「投げたらアカン」を思い出しますね。投げないわけにはいかないはずで。
バッハの無伴奏チェロ組曲は、私の場合、初めて聴いたのが、当時、カセットで買ってきたカザルスでした。全曲を聴いて、あまりのショックに、もう他の演奏を聴いても、しばらくピンと来ませんでした。今は、マイスキーとかビルスマとか、いろいろな演奏をまた順番に聴いていますが。ただ、聴く度に常に(勝手に)多少襟を正しています。