自宅裏の果樹園の剪定枝を集めて焼却する作業が、あらかた片付きました。まだ一部残っている分がありますが、伐採した太い幹の部分ですので、これから時間をかけて燃やす必要があります。
ところで、果樹の剪定枝を焼却することにどんな意味があるのか。おそらく果樹園農業をご存じない方には、ダイオキシンを放出する野焼き行為ではないのかとか、あるいは温暖化ガスである二酸化炭素を増加させる行為ではないかとか、素朴な疑問を抱くこともあるのではないかと思います。これについては、
写真は、山のように積み上げた剪定枝のうち細枝はほぼ燃え尽きて、伐採した枯損樹の幹が残っている状態です。完全に燃え尽きて粗熱が取れてから畑に散布し、耕運機で耕耘します。堆肥とともに、これから野菜のための土作りに役立つことでしょう。
自宅裏の果樹園では、ただいま梅の花が満開、サクランボの芽はややふくらみ始め、桃は開花まであと10日ばかりでしょうか。
(サクランボの花芽)
(桃の花芽)
ところで、果樹の剪定枝を焼却することにどんな意味があるのか。おそらく果樹園農業をご存じない方には、ダイオキシンを放出する野焼き行為ではないのかとか、あるいは温暖化ガスである二酸化炭素を増加させる行為ではないかとか、素朴な疑問を抱くこともあるのではないかと思います。これについては、
- 発泡スチロール(発泡ポリスチレン)とサランラップ(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン)等を一緒にして低温で燃やせば、ダイオキシン等の有害物質が大量に出ます。これが、生活ゴミの野焼きを禁じる根拠の一つになっています。
- しかし、果樹の剪定枝などの成分は発泡スチロールやサランラップとはまるで違い、ダイオキシンの発生を根拠に禁止するのは筋違いで、主に煙を嫌う都市部の住民の苦情に対応するためにダイオキシンにこじつけたに過ぎないと考えています。
- 温暖化ガスとして二酸化炭素の放出が問題にされるのは、石炭や石油等の化石燃料の燃焼によるものであり、光合成によって二酸化炭素を吸収し枝葉を形成する植物を燃やす場合はカーボンニュートラルと言って、問題にはなりません。
- むしろ、病虫害に侵された枝を切り取り焼却することは、農薬に頼るよりもずっと効果的な究極の対策と言っていいでしょう。例えばびっしりとカイガラムシがついた枝は、切除して焼却するのが一番です。
- 焼却後に残る灰や細炭は、畑にすきこめば灰は肥料になり、多孔質の細炭は粘土質の土壌での空気の流通を改善する効果があり、畑の土壌生物にとってプラスとなり、土壌改良材として役立ちます。例えば木灰中には数%の炭酸カリウムが含まれており、わずかですがカリ肥料の役割を果たします。
- そのため、果樹園農業地帯である当地では、剪定枝の焼却は「廃棄物の焼却」ではなく、「肥料等の製造」の目的で行われる行為として条令で認められています。このあたりは、都市部における産廃や生活ゴミ等の野焼き行為とは一線を画するものです。
写真は、山のように積み上げた剪定枝のうち細枝はほぼ燃え尽きて、伐採した枯損樹の幹が残っている状態です。完全に燃え尽きて粗熱が取れてから畑に散布し、耕運機で耕耘します。堆肥とともに、これから野菜のための土作りに役立つことでしょう。
自宅裏の果樹園では、ただいま梅の花が満開、サクランボの芽はややふくらみ始め、桃は開花まであと10日ばかりでしょうか。
(サクランボの花芽)
(桃の花芽)
■私個人は、青森県の津軽地方在住ですが、農家ではないです。が、祖父や複数の伯父叔父たちがりんご農家です。
■みな、「剪定枝は、燃やして灰をすき込むもの」。化学的機序に裏付けされた長年の経験が、りんご農家の常識となっています。周辺のどのりんご農家もそうです(燃やしっぱなしの農家も多いですが)。
■亡くなった祖父は、さらに、「面倒だが切りそろえて(これが見返りのない重労働)、薪ストーブで焚く。灰がたまれば、畑の小屋に運んで置いて、時期を見て散布」。
■伯父叔父たちは、皆いちように薪ストーブです(8月下旬から6月まで必要な家庭の暖房です)。今流行りのオシャレな鋳鉄製でなくて、昭和の古くてさびて煤けたトタン板製です。
■さらに祖父の自説;「自分は貧しい百姓だし難しい理屈はわからないが、畑で剪定枝を焼いて、家で石油を焚くのは矛盾していないか?」
…この点も地元で議論があり価値観が分かれるところです。祖父のいた実家に同居する叔父の嫁さん(私にとっては叔母)によると、「薪(ストーブ)を使うと一年中薪の心配をして薪を切ってばかり。この作業は本当に重労働で危険で大変だ。剪定枝が(他の時期の間伐材等に比べて)いちばん細かくて面倒だ。しかも、今どきFFヒーターを使っていない家は、古い家で貧しそうで外聞が悪いんだけど…」
■私はといえば、幼少の頃から、祖父の家の、からだの芯からぞんぶんに暖かくてふんだんに湯が沸く『りんごの木の薪ストーブ』が羨ましくて…(^^。高校のとき、特に寒さに震えながら大学受験の勉強をしていた夜など羨ましさがピーク!自分の部屋の寒々しい反射式石油ストーブを横目に、父親に「祖父の実家に下宿したい…」と言ったら、一喝却下されました(;^^A
剪定枝で薪ストーブの件、朝晩だけでなく日中も燃やすなら、少し大げさに言えば、1ヶ月に2トン車1台分の薪が必要でしょう。それだけの量の剪定枝を自給できるのはかなりの大農家でないと無理ですね。私は寒い朝の目覚まし代わりに、タイマーでヒーターがボッと点火する音とぬくぬく暖かくなってから起き出すことを習慣にしていますので、極寒の中で起き出して薪ストーブに点火する辛さに耐えられるかどうか、全く自信がありません(^o^)/
点火してしまえばごく暖かいのでしょうけれど。
焚き火は、火事を恐れてやらなくなったと思いますが、ダイオキシンが決定だだったと思います。多摩川などの河川でバーベキュはいいのですが、河川での焚き火も注意をしないといけないようになりました。
長野県飯田市に週末に行きますが、朝起きると、あたりで焚き火の煙があちこちで上がります。まだまだ畑が多く残り、枝や草を焼く光景はいまよくみかけますよ。果樹園がたくさんあるので、この前薪をとるため果樹切りを手伝いに行きました。
薪ストーブで出た灰は庭の肥料でまきます。楽しく読みました。
薪ストーブの灰は肥料にしていますか。いいことですね。循環の視点からも、畑で出たものは畑に返すのが本当だと思います。