音楽之友社から刊行されていた月刊雑誌『レコード芸術』が、休刊になるらしい(*1)です。驚きましたが、ある意味、「やっぱり」という感じもあります。雑誌全体が不調なのに、ターゲットがレコード、CDなのですから、さらに不調。編集のスタイルも、いかにも昭和の感覚が満載のもので、たまに手にすることがあっても、定期購読は考えもしませんでした。多くのライターの皆さんは、これからどうしていくのだろう。そんな余計な心配をしてしまいます。時代が時代なので仕方がないと感じる面と、もう少し変わろうとする動きがあってもよかったのではないかと思う面と、両方があります。
しかし、同じ会社の出版物に『音楽の友』と『ステレオ』誌があり、方向性は変えられない以上、録音されたLPやCD等を話題としてやっていくしかない。であれば、この時代には齟齬が大きくなってしまう、ということなのでしょう。そういえば、一度、山響の録音をCDにして添付したことがありましたが、地方オーケストラを取り上げようとすれば『音楽の友』誌とかぶり、PC-audio について取り上げようとすれば『ステレオ』誌とかちあう。なかなか難しいものです。
そういえば、1980年代の始め頃だったか、音楽之友社の『レコ芸』に対して『ステ芸』と呼ばれながらラジオ技術社から発行されていた『ステレオ芸術』誌も休刊になっていました。あのときはあくまでも発行元の事情だったようですが、あれから40年以上、『レコ芸』はよく頑張ったと言うべきなのかもしれません。
(*1): 『レコード芸術』休刊のお知らせ〜音楽之友社
しかし、同じ会社の出版物に『音楽の友』と『ステレオ』誌があり、方向性は変えられない以上、録音されたLPやCD等を話題としてやっていくしかない。であれば、この時代には齟齬が大きくなってしまう、ということなのでしょう。そういえば、一度、山響の録音をCDにして添付したことがありましたが、地方オーケストラを取り上げようとすれば『音楽の友』誌とかぶり、PC-audio について取り上げようとすれば『ステレオ』誌とかちあう。なかなか難しいものです。
そういえば、1980年代の始め頃だったか、音楽之友社の『レコ芸』に対して『ステ芸』と呼ばれながらラジオ技術社から発行されていた『ステレオ芸術』誌も休刊になっていました。あのときはあくまでも発行元の事情だったようですが、あれから40年以上、『レコ芸』はよく頑張ったと言うべきなのかもしれません。
(*1): 『レコード芸術』休刊のお知らせ〜音楽之友社
インターネットで情報が得られる、ということも大きいのですが……。
雑誌の欠点は、
・値段が高い(と感じるのはインターネット無料の情報が得られるからか)
・読むのに重い→紙の質がいいせいか、重い。通勤に持ち歩いて読む気はしないし、手に持っていても疲れる
・紙が光って読みにくい→光沢のある紙に印刷された文章は読みにくい→年齢的なものか
・場所をとる→読み終わってすぐに捨てればいいが、なんとなくとっておいて……
他にも、雑誌によっては商品カタログみたいなものだ、ということも一因でしょうか。
つまり年をとって光る紙が見にくい、重い雑誌を持てない、購買意欲が減退してカタログに魅力を感じない。
高齢化社会のゆえなのかしらん?
https://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/517b685599335ce6beb89b65c8d12579
WEBの時代になって、新しい技術を覚えたというのはほとんどありません。眼の前を通り過ぎるだけです。今は、『日経Linux』誌を時々購入することがあるくらいですかね。
■休刊は、音楽ファンの心情にとっても、一つの大きな時代の区切りとなるのは確実だと思います。
■私は中学生だった70年代から数十年来拝読してきた口です。
■中学の時、批評子諸氏の言葉は宣旨文として謹んで承り、高校の時は慈父の如き批評子に対する反抗期を迎え、大学時代は同好の士と口角泡を飛ばして今月号の論評を論評し合いました(笑
■レコ芸70年の歴史で特筆すべきことや事件も多かったでしょう。
個人的には「古楽」の分野。20年にわたって、NHK-FMの番組と並行して、皆川-服部両氏の博覧強記かつ温厚篤実な名コンビで、しかも一切の互いの干渉なしで続いたことです。
また、毎年の「RA大賞」の、選出されたタイトルよりむしろ選考過程の経過の(特に混乱した際の)報告が、毎年年末の楽しみでした。
■新譜評論は、いつの時代も需要はあり続ける気がします。「どんな音楽を聴こうかな、どんなCDを買おうかな」を導いてくれますし、「この演奏はこんなふうだ」という方向を教えてくれます。だからレコ芸休刊は意表を衝かれました。
■思うに、これ(新譜評論)への欲求について、レコ芸の読者層は、(音友やステレオ誌に比して)いち早くネットへのシフトが完了したのではないでしょうか。例えば、買おうとするCDがあったとして、その演奏のウェブサイトのコメント欄を見ます。そのうちの一つ、国内外のHMVのコメント欄は、その積み重ねが膨大で、(しかもどなたもレコ芸やGramophoneみたいな評論調で、)読むだけでお腹いっぱい楽しめます。ふと考えてみれば、その後にレコ芸を買う必要性があるかと問われると…。
■でも「どんな音楽を聴こうかな」というわくわくした気分で今月号を開くという楽しみは、ネットにはない、レコ芸ならではのもの。やっぱり切ないです。
https://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/90111d90b4c07aff435ee8f63ece9fc3
https://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/e8084830f2293c7332a22523d958050d
若い頃のボンビー生活のおかげでLPの時代も廉価盤中心でしたので、いわゆる「名盤」志向も薄く、これは『レコ芸』評論家氏とはだいぶ好みが違うのだなと思っていたからかもしれません。
残念ですが時代の流れですかね。毎年2月号で特集されるリーダーズ・チョイスなんか面白かったですけど、SNSがこれだけ発達すると…
いずれにしても、この記事で初めて知りました。ありがとうございます。