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LPレコードが花盛りだったころ、各社で「ベストクラシック100選」のような企画を競っておりました。中でも、「よいレコードを、もっと多くの人に」という理念と、"私は1分23秒のセルの「英雄」に泣いた"という荻昌弘さんの名コピーが印象深い、「音のカタログ」という二枚のLPを頒布する企画は、ずいぶん受けたのではないかと思います。この頃のカタログはきれいなカラー印刷で、使用している紙質も立派で、好感の持てるものでした。開始した年度は不明ですが、バーンスタインとともにソニーの井深大さんが挨拶を載せているところを見ると、たぶん1970年代の半ば~後半前半かと思います。このカタログから、懐かしのジャケット写真を、数回に分けて掲載したいと思います。まずは、「交響曲」から。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/5e/2d806731cc6cb9a6250d01b26f026131.jpg)
ごらんのとおり、バーンスタインの「運命・未完成」とワルターの「田園」を見開きに配置し、下段にはワルターの「運命・未完成」、ブーレーズの「運命」、ワルターの「英雄」、セルの「英雄」を左面、バーンスタインの「田園」、ワルターの「4番と8番」、バーンスタインとワルターの「合唱」が右面という構成です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/c3/6e7ca796cbfdff7eefa38d6fcfeabb9e.jpg)
次も「交響曲」で、ワルターの「ジュピター・ト短調」とセルの「新世界」を見開きに配置し、下段左にはセルの「ト短調&39番」、ワルターの「39番&ハフナー」、セルの「驚愕とオックスフォード」、バーンスタインの「ザ・グレート」、下段右にはバーンスタインの「新世界」、「悲愴」、セルの「チャイコ5番」、バーンスタインの「シベリウス2番」という具合。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/c1/7cab2146c7d3cdf6fcb00a958e3e531f.jpg)
次も「交響曲」で、ブーレーズの「幻想」とバーンスタインの「巨人」を見開きに配置し、下段左にはバーンスタインの「幻想」とワルターの「ロマンティック」、セルの「ブルックナー8番」、ワルターの「ブルックナー9番」、そして下段右にはワルターの「巨人」、「復活」、バーンスタインの「マーラー4番」「同9番」が並びます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/48/503a19b0b57fcf58875d018e917de492.jpg)
次のページは、左が「交響曲」で、上段はワルターの「ブラームス1番」、セルの「同2番」、ワルターの「同4番」、下段にはセルの「同4番」、セルの「春&ライン」、「イタリア」、バーンスタインの「ショスタコーヴィチ5番」が並びます。
そして右ページは「管弦楽曲」で、上段にバーンスタインの「展覧会の絵」、下段にはブーレーズの「海」、セルの「スラブ舞曲」、オーマンディの「チャイコフスキー三大バレエ音楽集」と、本シリーズのロゴマーク、という具合です。
うーん、見慣れたLPのジャケットが懐かしい。よく考えると、だいぶCDでも買い直していることに気づきます。CDになって初めて購入したもので、格別に印象深いのは、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管によるブルックナーの「交響曲第8番」でしょうか。(続く)
【追記】
このカタログは、1970年代後半のものと思っていましたが、三枚組「音のカタログ」は1975年のものであるとのこと、この「100選」カタログは、おそらく1973~74年頃のものかと思われます。この点、訂正しました。
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ごらんのとおり、バーンスタインの「運命・未完成」とワルターの「田園」を見開きに配置し、下段にはワルターの「運命・未完成」、ブーレーズの「運命」、ワルターの「英雄」、セルの「英雄」を左面、バーンスタインの「田園」、ワルターの「4番と8番」、バーンスタインとワルターの「合唱」が右面という構成です。
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次も「交響曲」で、ワルターの「ジュピター・ト短調」とセルの「新世界」を見開きに配置し、下段左にはセルの「ト短調&39番」、ワルターの「39番&ハフナー」、セルの「驚愕とオックスフォード」、バーンスタインの「ザ・グレート」、下段右にはバーンスタインの「新世界」、「悲愴」、セルの「チャイコ5番」、バーンスタインの「シベリウス2番」という具合。
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次も「交響曲」で、ブーレーズの「幻想」とバーンスタインの「巨人」を見開きに配置し、下段左にはバーンスタインの「幻想」とワルターの「ロマンティック」、セルの「ブルックナー8番」、ワルターの「ブルックナー9番」、そして下段右にはワルターの「巨人」、「復活」、バーンスタインの「マーラー4番」「同9番」が並びます。
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次のページは、左が「交響曲」で、上段はワルターの「ブラームス1番」、セルの「同2番」、ワルターの「同4番」、下段にはセルの「同4番」、セルの「春&ライン」、「イタリア」、バーンスタインの「ショスタコーヴィチ5番」が並びます。
そして右ページは「管弦楽曲」で、上段にバーンスタインの「展覧会の絵」、下段にはブーレーズの「海」、セルの「スラブ舞曲」、オーマンディの「チャイコフスキー三大バレエ音楽集」と、本シリーズのロゴマーク、という具合です。
うーん、見慣れたLPのジャケットが懐かしい。よく考えると、だいぶCDでも買い直していることに気づきます。CDになって初めて購入したもので、格別に印象深いのは、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管によるブルックナーの「交響曲第8番」でしょうか。(続く)
【追記】
このカタログは、1970年代後半のものと思っていましたが、三枚組「音のカタログ」は1975年のものであるとのこと、この「100選」カタログは、おそらく1973~74年頃のものかと思われます。この点、訂正しました。
なお、1975年に発売された2代目にあたるニュー・ベスト・クラシック100選(のちにベスト・クラシック150選に改編)では、厳密に100タイトルになり、すべてシングルジャケットになってしまいました。一方で音のカタログは曲種別に8枚提供され、例えば8枚のうち3枚を占める交響曲編では全楽章からそれぞれの抜粋が収録されるという威容でした。この音のカタログも150選への改編時に、他の方のご紹介にあるように3枚になってしまったのは残念でした。
この「ベスト・クラシック100選」は、1972年5月21日に最初の30枚が発売された時点では、前半50枚だけが掲載されたカタログが配布されていました。ですからお持ちのものは、後半50枚の発売が始まる同年9月21日に先立って配布が始まったはずです。また、先述の「新世界から/火の鳥(11月21日発売)」のジャケット写真が差し替わっていませんから、最終デザイン決定前に印刷された初期バージョンでしょう。
実際に入手された時期はともかく、制作時期は1972年7月から9月前後に特定されると思います。
今見返すと、トップ番号のタイトルがバーンスタインの「運命・未完成」であったり、ベートーヴェンの交響曲に第4・第8がありながら第7が含まれていないなど、隔世のラインナップですが、実際に買わずとも毎月少しずつ店頭に出てくるのを楽しみにさせる、秀逸なカタログ戦略だったと思い返しています。