先日、かかりつけの耳鼻咽喉科医院を定期受診した際に、最近の疑問点について相談してみました。私の場合、鼻洗浄と抗アレルギー薬と点鼻薬で対応しつつ、鼻水を出して鼻づまり状態を改善させるカルボシステイン錠を服用することで対処していますが、この効果時間が意外に短いことが背景にあります。
ということでした。また、薬局の薬剤師さんも同意見でしたので、服薬間隔のシミュレーションを試みました。まず、基礎データとして Google で「カルボシステイン 薬物動態」で検索し、この薬の血中濃度のデータを含む資料(*1)を見つけましたので、このグラフから服用後の時間(h)と血中濃度の値(μg/mL)を読み取り、表計算に記入します。元データは服用後30分のものもありましたが、今回は1日の変化を1時間単位で見たいので割愛し、朝食時刻を固定して昼食後と夕食後の服用時刻を少しずつずらしてグラフを重ね合わせ、血中濃度の変化を見たものです。
その結果、朝食後、昼食後、夕食後の服用時刻をそれぞれ8時、13時、19時としたときの血中濃度の変化は次のようになります。
この場合、生活時間帯には合致しており、日中の血中濃度は確保されていますが、夜間、特に未明から朝方は血中濃度はずっとゼロになってしまいます。夜中に目が覚める、朝の鼻づまりなどの理由はこれで説明がつきます。
そこで、朝食後の服用時刻は同じ8時とし、昼食後と夕食後を6時間ずつあけてそれぞれ14時、20時にしてみると、血中濃度の変化は次のようになります。
この場合、日中の血中濃度は最低でも0.5μg/mLとなり、明け方近くにようやく0になる形ですので、良質な睡眠が期待できそうです。
ふーむ。服用忘れに注意する必要はありますが、これなら今よりももう少し改善が期待できるかもしれません。試してみる価値はありそうです。若い頃、なにかと表計算でシミュレーションしてみた経験が、こんな形で役立っています。LibreOffice の Calc がフリーで使えるのがほんとにありがたいところです。
(*1): 気道粘液調整・粘膜正常化剤 日本薬局方 L-カルボシステイン錠〜JAPIC PDFファイルの1頁、右下の血中濃度のグラフより。
私:最近は鼻づまりがだいぶ改善されてきているが、夜中に鼻づまりで目がさめたり、朝、とくに朝食前がフガフガしてしまいます。カルボシステイン錠の服用間隔が、夕食後から朝食後まで12時間と長いので、夕食後すぐではなく食後1〜2時間くらいで服用することにしてもかまわないでしょうか。
先生:問題ありません。
ということでした。また、薬局の薬剤師さんも同意見でしたので、服薬間隔のシミュレーションを試みました。まず、基礎データとして Google で「カルボシステイン 薬物動態」で検索し、この薬の血中濃度のデータを含む資料(*1)を見つけましたので、このグラフから服用後の時間(h)と血中濃度の値(μg/mL)を読み取り、表計算に記入します。元データは服用後30分のものもありましたが、今回は1日の変化を1時間単位で見たいので割愛し、朝食時刻を固定して昼食後と夕食後の服用時刻を少しずつずらしてグラフを重ね合わせ、血中濃度の変化を見たものです。
その結果、朝食後、昼食後、夕食後の服用時刻をそれぞれ8時、13時、19時としたときの血中濃度の変化は次のようになります。
この場合、生活時間帯には合致しており、日中の血中濃度は確保されていますが、夜間、特に未明から朝方は血中濃度はずっとゼロになってしまいます。夜中に目が覚める、朝の鼻づまりなどの理由はこれで説明がつきます。
そこで、朝食後の服用時刻は同じ8時とし、昼食後と夕食後を6時間ずつあけてそれぞれ14時、20時にしてみると、血中濃度の変化は次のようになります。
この場合、日中の血中濃度は最低でも0.5μg/mLとなり、明け方近くにようやく0になる形ですので、良質な睡眠が期待できそうです。
ふーむ。服用忘れに注意する必要はありますが、これなら今よりももう少し改善が期待できるかもしれません。試してみる価値はありそうです。若い頃、なにかと表計算でシミュレーションしてみた経験が、こんな形で役立っています。LibreOffice の Calc がフリーで使えるのがほんとにありがたいところです。
(*1): 気道粘液調整・粘膜正常化剤 日本薬局方 L-カルボシステイン錠〜JAPIC PDFファイルの1頁、右下の血中濃度のグラフより。
■5/5のコメントに便乗しようかなと思いましたが、医療関係の一般的助言がありましたので、自分の(以下の通りの)くどい割におちゃらけたコメントを並べるのは遠慮しました。
■コメントの"さちこ"さまのおっしゃるとおり、半減期を経過後にt軸が漸近線となる明け方近くになるにつれて、薬物が体内にある一方で症状の勢いがぶり返す、その自覚のタイミングは個別に異なりそうですね。
■コメントの最後に「症状はつらいが考えるのは楽しい」とのお言葉。つらいさをこらえて現在の問題点や機序と向き合う姿勢には、う~んと感服いたします。人生の参考にします(^^w
■今日のグラフは、大学入試センターで2017年に実施した「共通テスト試行調査-数学B」の第4問目(数列)に類似のものがあって、今日と同じく、薬効の減衰を18歳の大学受験生のみんなで考えたようですよ。
■以下抜粋してみますと(以下の表記でアンダーバー後は下付き文字です);
ある薬Dを服用したとき,有効成分の血中濃度は一定の割合で減少し, T時間が経過すると1/2倍なる。薬Dを1錠服用すると, 服用直後の血中濃度はPだけ増加する。時間0で血中濃度がPであるとき, 血中濃度の変化は次のグラフで表される。...
適切な効果が得られる血中濃度の最小値をM,副作用を起こさない血中濃度の最大値をLとする。薬Dについては、M=2, L=40, P=5, T=12である。
(1)
nを自然数とする。a_nはn回目の服用直後の血中濃度である。a_1はPと一致する。
第(n+1)回目の服用直前には, 血中濃度は第n回目の服用直後から時間の経過に応じて減少しており, 薬を服用した直後に血中濃度がPだけ上昇する。この血中濃度がa_n+1である。
P=5, T=12であるから,数列{a_n}の初項と漸化式は...となる。
数列{ a_n}の一般項を求めよう。
考え方1
数列{ a_n・d }が等比数列となるような定数dを求める…
考え方2
階差数列をとって考える…
(2)
薬Dについては, M=2, L=40である。薬Dを12時間ごとに1錠ずつ服用する場合, n回目の服用直前の血中濃度がa_n-Pであることに注意して, 正しいものを以下から2つ選べ。
1) 4回目の服用までは血中濃度がLを超えないが, 5回目の服用直後に血中濃度がLを超える。
...6) 5回目までは服用直前に血中濃度がM未満になるが, 5回目の服用以降は,血中濃度がMを下回ることはなく, 適切な効果が持続する。
■抜粋は以上。上の抜粋じゃぁ計算不能ですが、興味がおありなら本問をご参照に。製薬会社のデータがおありのようですので、ご自身の現実にどこまで合致するものか、薬効減衰後の症状発生の閾値がどのへんなのか、思わず計算してみたい気に...なりませんよね...。調子に乗って申しわけありません...。
主治医に相談されたのですね、良かったです。
どうなったかまた教えて下さい(興味津々)。
しかし、表計算でシミュレーションしてしまうなんてnarkejpさんらしいです。
>30分後の値、約0.5μg/mLくらいの値
0.5という数字がどこから出てきたのかなぁと思っていました。
血中濃度と薬効(副作用)がどの程度相関しているのかは、理論だけではわかりませんね、服用した人しか実感出来ないかも・・。
↑ご提示の数列の入試問題、ちょっとびっくりです。
出題する人もあれこれと考えるのですね・・・。
半減期の短い定常状態がない薬剤は単回投与のデータで判断しますが、半減期の長い定常状態がある(
体内に入っていく量と出て行く量が等しい)薬剤は定常状態に入ってから判断しますね。
いずれにせよ、微分など計算でいろいろ推測出来ます♪(習得途中・・・)
鼻づまりに主人が苦しんでます。
わたしも長いこと花粉症で苦しんでいたとき、花粉症の苦しみを知らない主人に仮病扱いされたことがあって、「辛いでしょ、当時寝込むほど辛かった気持ちわかるでしょう」とチクりと言ってやってますよ
今年は酷かった‼️スギとヒノキ
鼻うがい、気持ちいい❗
>0.5という数字がどこから出てきたのかなぁと思っていました。
これは、例の血中濃度のグラフから読み取ったものです。こういうグラフの数値の読み取りは、正確ではないけれど大まかな傾向をつかむには役立ちますね。