10月下旬に入った日曜日、午前中にタマネギの苗を植え付け、午後はゆっくりと休憩して、ラグビー・ワールドカップ日本対南アフリカ戦を尻目に、夕方から山形市の文翔館に向かいました。山形弦楽四重奏団の第73回定期演奏会を聴くためです。途中で、うっかり手帳を忘れてしまったことに気づきました。実は、購入した演奏会チケット等はみな手帳に入っているのです。自分のポカだから仕方がない、当日券で入場しようと割りきりました。うーむ、大人の対応だなあ、でも、最近うっかりが増えてるよなあ(^o^;)>poripori
余裕を持って文翔館に到着、駐車場に車を入れて、議場ホールに入場します。いつもと異なり、ホールを横長に使った座席配置です。プレコンサートは、フルート:小松崎恭子さん、ヴィオラ:田中知子さん、ピアノ:小林路子さんで、
の三曲。しみじみと、良かった〜!
今回の担当、チェロの茂木明人さんのプレトークでは、今回の曲目に関連して、作曲家が出版に苦労した話等を紹介。その今回の曲目は、
となっています。前半の二曲は実演ではめったに聞けない曲目ですが、実はピアノ五重奏曲「鱒」だって、頻繁にプログラムに載るというものではありません。実際、2016年のアフィニス音楽祭で初めてナマで聴けると楽しみにしていましたが、スーパーハイテンション・エネルギッシュ・ジャリンコな孫たちの来襲により予定変更、ついに今回まで生の「鱒」は食べた、いや、聴いたことがありませんでした。
そんなこんなで楽しみにしていた演奏会。関西から来県の某氏ともお会いして、お土産などいただいて、開演を待ちました。
まず、モーツァルトの「6つの前奏曲とフーガ第3番ヘ長調」から。ステージ左から、Vn:(中島光之)、Vla:(倉田譲)、Vc:(茂木明人)の3人が並びます。皆さんの衣装は、ストイックに黒一色のスタイル。第1楽章:アダージョ。ヴァイオリンとヴィオラが対話するのをチェロが支えるという感じかな。弦楽三重奏によるこのアダージョは、いかにもモーツァルトらしいです。しかし次の第2楽章:フーガは、ヴィヴァーチェと指示されていますが、まさしくモーツァルト風味のバッハのフーガですね。ザルツブルグを飛び出しウィーンに着いたモーツァルトが、パトロンの一人、スヴィーテン男爵が所蔵する楽譜を勉強しながら編曲する様子を想像すると、なんだかすごいです。
続いてシューベルトの弦楽三重奏曲、変ロ長調D.471 です。アレグロの表示しかありませんので単一楽章の曲かと思ったら、実際は完成した第1楽章のみが残ったということらしい。プログラム・ノートには1816年の秋に作曲されたとありますので、1786年生まれのシューベルトは30歳。1819年にピアノ五重奏曲「鱒」を作曲するわずか三年前です。じっと聴いていると、たしかに若い時代の習作ではなくて、完成作として残らなかったのが惜しまれる、親密な響きの中にシューベルトらしい歌がある曲のようです。
ここで15分の休憩。
後半は、シューベルトのピアノ五重奏曲イ長調「鱒」。ステージ左後方にピアノの小林路子さん。今日はピンクではなく、鱒にちなんで?青〜ブルーグレー系のドレスです。弦楽は左からVn:中島、Vla:倉田、Cb:三崎屋義知、Vc:茂木、という配置。第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ、ややゆっくりめに始まります。LPやCDで聴いている時(*1)にも感じたのですが、この曲では予想以上にチェロの役割が大きいのですね。第2楽章:アンダンテ、弦楽に呼応しピアノが活躍します。第3楽章:スケルツォ、プレスト。歯切れよいリズムの楽章です。今回は軽やか志向よりはロマンティック志向でしょうか。第4楽章:主題と変奏。アンダンティーノ〜アレグレット。ああ「鱒」だ。弦の響きが心にじかに沁み入るようで、この間、ピアノは沈黙。ピアノが入ってくると、「しっとり」から「活発」へ雰囲気が変わります。Vnは速く確実な技巧が要求されますし、Vcも聴かせどころがあります。チェロ、いいなあ。有名になるだけのことはあると実感する音楽です。第5楽章:アレグロ・ジュスト。コントラバスがリズムの土台、推進力を作る面があるようで、ピアノもけっこう低域を使った表現あり。常設の弦楽アンサンブルを中心とする室内楽の醍醐味を感じさせるフィナーレでした。
いつもよりだいぶ多いお客様から盛んな拍手を贈られ、アンコールは第4楽章から一部を。ああ、良かった〜。今回も良い演奏会となりました。山Qの皆さん、小林さん、三崎屋さんに特大の感謝です。
(*1):シューベルトのピアノ五重奏曲「鱒」を聴く〜「電網郊外散歩道」2008年8月
余裕を持って文翔館に到着、駐車場に車を入れて、議場ホールに入場します。いつもと異なり、ホールを横長に使った座席配置です。プレコンサートは、フルート:小松崎恭子さん、ヴィオラ:田中知子さん、ピアノ:小林路子さんで、
- J.S.バッハ〜グノー「アヴェ・マリア」
- 浜辺の歌
- ふるさと
の三曲。しみじみと、良かった〜!
今回の担当、チェロの茂木明人さんのプレトークでは、今回の曲目に関連して、作曲家が出版に苦労した話等を紹介。その今回の曲目は、
- W.A.モーツァルト 6つの前奏曲とフーガ 第3番
- F.シューベルト 弦楽三重奏曲 変ロ長調 D.471
- F.シューベルト ピアノ五重奏曲「鱒」
となっています。前半の二曲は実演ではめったに聞けない曲目ですが、実はピアノ五重奏曲「鱒」だって、頻繁にプログラムに載るというものではありません。実際、2016年のアフィニス音楽祭で初めてナマで聴けると楽しみにしていましたが、スーパーハイテンション・エネルギッシュ・ジャリンコな孫たちの来襲により予定変更、ついに今回まで生の「鱒」は
そんなこんなで楽しみにしていた演奏会。関西から来県の某氏ともお会いして、お土産などいただいて、開演を待ちました。
まず、モーツァルトの「6つの前奏曲とフーガ第3番ヘ長調」から。ステージ左から、Vn:(中島光之)、Vla:(倉田譲)、Vc:(茂木明人)の3人が並びます。皆さんの衣装は、ストイックに黒一色のスタイル。第1楽章:アダージョ。ヴァイオリンとヴィオラが対話するのをチェロが支えるという感じかな。弦楽三重奏によるこのアダージョは、いかにもモーツァルトらしいです。しかし次の第2楽章:フーガは、ヴィヴァーチェと指示されていますが、まさしくモーツァルト風味のバッハのフーガですね。ザルツブルグを飛び出しウィーンに着いたモーツァルトが、パトロンの一人、スヴィーテン男爵が所蔵する楽譜を勉強しながら編曲する様子を想像すると、なんだかすごいです。
続いてシューベルトの弦楽三重奏曲、変ロ長調D.471 です。アレグロの表示しかありませんので単一楽章の曲かと思ったら、実際は完成した第1楽章のみが残ったということらしい。プログラム・ノートには1816年の秋に作曲されたとありますので、1786年生まれのシューベルトは30歳。1819年にピアノ五重奏曲「鱒」を作曲するわずか三年前です。じっと聴いていると、たしかに若い時代の習作ではなくて、完成作として残らなかったのが惜しまれる、親密な響きの中にシューベルトらしい歌がある曲のようです。
ここで15分の休憩。
後半は、シューベルトのピアノ五重奏曲イ長調「鱒」。ステージ左後方にピアノの小林路子さん。今日はピンクではなく、鱒にちなんで?青〜ブルーグレー系のドレスです。弦楽は左からVn:中島、Vla:倉田、Cb:三崎屋義知、Vc:茂木、という配置。第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ、ややゆっくりめに始まります。LPやCDで聴いている時(*1)にも感じたのですが、この曲では予想以上にチェロの役割が大きいのですね。第2楽章:アンダンテ、弦楽に呼応しピアノが活躍します。第3楽章:スケルツォ、プレスト。歯切れよいリズムの楽章です。今回は軽やか志向よりはロマンティック志向でしょうか。第4楽章:主題と変奏。アンダンティーノ〜アレグレット。ああ「鱒」だ。弦の響きが心にじかに沁み入るようで、この間、ピアノは沈黙。ピアノが入ってくると、「しっとり」から「活発」へ雰囲気が変わります。Vnは速く確実な技巧が要求されますし、Vcも聴かせどころがあります。チェロ、いいなあ。有名になるだけのことはあると実感する音楽です。第5楽章:アレグロ・ジュスト。コントラバスがリズムの土台、推進力を作る面があるようで、ピアノもけっこう低域を使った表現あり。常設の弦楽アンサンブルを中心とする室内楽の醍醐味を感じさせるフィナーレでした。
いつもよりだいぶ多いお客様から盛んな拍手を贈られ、アンコールは第4楽章から一部を。ああ、良かった〜。今回も良い演奏会となりました。山Qの皆さん、小林さん、三崎屋さんに特大の感謝です。
(*1):シューベルトのピアノ五重奏曲「鱒」を聴く〜「電網郊外散歩道」2008年8月
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