志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

『チャヴ 弱者を敵視する社会』について今朝の「琉球新報」の「日曜の風」です!9月17日!

2017-09-17 17:26:19 | 世界の潮流

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 392ページ
  • 出版社: 海と月社 (2017/7/20)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4903212602
  • ISBN-13: 978-4903212609
  • 発売日: 2017/7/20
  • 弱者をさらに分断していくエリー層の戦略なんですね!格差の巧妙な仕組み_ちょうどオリガーキーの10の戦略をチョムスキーがすでに書いているのですが、重なりますね。労働組合の弱体化、教育現場における権力に逆らわない思想統制等を含めー。

商品の説明

内容紹介

イギリスでは異例の14万部を記録! 

ニューヨーク・タイムズ紙ノンフィクション部門ベスト10選出。

アメリカ、ドイツ、フランス、スペイン、スウェーデン、オランダ、トルコ、韓国で次々刊行され各国で絶賛。

いま最も注目されている若き論客オーウェン・ジョーンズの世界的ベストセラーついに日本上陸! 

サッチャー政権の誕生から今にいたるまで、イギリスで推し進められてきた新自由主義。
緊縮財政、民営化、規制緩和、自己責任の大合唱、はイギリス社会とそこで生きる人々の生活をどう破壊していったのか?
怒れる二十代の若者が、 労働者階級の生活の「虚構」と「現実」を調べ上げ、 支配層を厳しく糾弾し、
現代イギリスの不平等と階級憎悪を ぞっとするほど克明に描き出した力作。

いまなお新自由主義に邁進する日本の社会や私たちの生活の将来を知るために最適な一冊。

【本書への賛辞】

「怒りが生んだ、最高の本」
──ガーディアン紙

最高の論争がみなそうであるように、知性に裏打ちされた怒りが本書を支えている。
──エコノミスト誌

暴動や世界中に広がったオキュパイ運動に照らして考えると、分断社会に関する著者の鋭い分析は、
不気味なほど未来を予知していたことがわかる。
──アートフォーラム誌

情熱と、思いやりと、すぐれた道徳性が結実した仕事だ。
──ニューヨーク・タイムズ紙

政治の定説を見直す大胆な試み。著者は戦後のイギリス史を縦横無尽に往き来し、
階級、文化、アイデンティティといった複雑な問題を軽々とまとめてみせ、
結果として「階級」問題に火をつけ、大きな効果をあげている。
──インディペンデント紙

いまの制度が貧しい人々を見捨てていることに対する苛烈な警告──それが本書だ。
──ブログサイト「デイリー・ビースト」

ジョーンズは、「地の塩」だった労働者階級が政治のせいで「地のクズ」と見なされるようになった経緯を見事に説明している。
──タイムズ紙

この本は、新しいタイプの階級嫌悪と、その裏にあるものを痛烈にあばいて見せてくれる。
──ジョン・ケアリー(The Intellectuals and the Masses著者)

これは「イギリスはおおむね階級のない社会である」という考え方への、論理的で情報満載の大反撃だ。
──オブザーバー紙

情熱的で示唆に富む……この声が届くことを心から願う。
──スコットランド・オン・サンデー紙

内容(「BOOK」データベースより)

これが、新自由主義の悲惨な末路だ!緊縮財政、民営化、規制緩和、自己責任社会…。支配層の欺瞞を暴き、英米とEU各国で絶賛された衝撃の書!

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トップカスタマーレビュー

ベスト50レビュアー2017年8月5日
 
本書は、イギリスの「ガーディアン」紙などで活躍する著者が2012年に刊行したもの。ただ、2016年版に付された「ふたたび、親愛なるみなさんへ」もおさめられている。書名にもなっている「チャヴ」は、イギリスでは“労働者階級全般”を意味しているが、特権階級・中流階級及び保守的なメディアでは、差別的な意味を込めて使っていることが多いようだ。
著者の名前はブレイディみかこ氏のコラムなどで目にしていたが、まとまったものを読むのは初めて。まさに「歯に衣着せぬ」と言うべき論調で、「弱者を敵視する社会」となってしまった現代のイギリスを批判している。

印象に残るのは、2章「「上から」の階級闘争」。イギリスの保守党の実態を様々に明らかにしながら、保守党がごく一部の特権階級の利益のために働いているにも関わらず、「必要最小限のほかの人々に必要最小限のものを与えること」(本文中では「必要最小限」に傍点が付されている)で、特権階級に属さない人々の多くから支持をとり続けていること。労働者階級などが「階級闘争」を放棄する一方で、特権階級は密かに「階級闘争」を維持していることを指摘している。また、現在の「労働者階級」の分断、さらに労働者階級への“敵視”は、サッチャーが首相だった1980年代に始まっているという部分にも共感できる。

ほかにも色々なケースを挙げながら、現代のイギリスが抱える多様な側面を抉り出している。そして、2012年版に付された「親愛なるみなさんへ」の345ページにも書かれているように、原題の副題が「白人労働者階級への敵視」ではなく「労働者階級への敵視」であることも重要だろう。「中流階級」に、労働者階級を敵視させる巧みなやり方は、イギリスがかって植民地で行ってきた人種・民族などを利用した分断政策を思い起こさせる。

本書にあることは、イギリスだけの問題ではなく、日本の問題でもある。
「中流階級」とおだてられ、「必要最小限のもの」だけを有難く受けとり、“弱者を敵視”することを“是”とする立場を、私は選びたいとは思わない。


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