「なはーと」7月17日に向けてチラシが出ましたね。楽しみです!
6年前の七年忌の記念イベントのフォーラムは幸喜良秀氏が基調講演をされて、平良進、玉城千枝、玉城盛義、久田千春さんが登壇しました。
とても貴重な映像とトークだと今からワクワクです。
真喜志康忠生誕100年記念トークイベント 「真喜志康忠が残したもの~沖縄芝居・現在と未来~」
戦前・戦後に活躍した沖縄芝居の役者であり劇作家の真喜志康忠の生誕100年を記念し、真喜志康忠の足跡や舞台の映像作品のトークイベントを開催します。
真喜志康忠の芝居人生や舞台作品、また、沖縄芝居の実演家や研究者のお話しを通して、戦後沖縄の演劇界における沖縄芝居の歴史や、沖縄芝居の未来について考えます。この機会にぜひご参加ください。
【開催日時】2023年7月17日(月・祝) 14時~16時30分(開場13時)
【会 場】那覇文化芸術劇場なはーと 小劇場
【参 加 費】無料 *要申込み。定員に達し次第締め切ります。
【受付方法】なはーと窓口、またはお電話(098-861-7810、受付時間10時~19時)、申込みフォームで受付けます。
*6月1日(木)10時から受付開始
*第1・第3月曜日(休館日)を除く
【プログラム】
1.「真喜志康忠の足跡」(紹介映像 約10分)
2.「康忠芝居 舞台記録上映」(代表作ダイジェスト 約45分)
休 憩
3.「真喜志康忠が残したもの」(座談会 約60分)
【登 壇 者】平良進(元劇団ときわ座)
狩俣繁久(琉球大学名誉教授)
神谷武史(沖縄県立芸術大学講師)
【トーク司会・進行】
仲松昌次(元NHK沖縄の歌と踊りディレクター)
仲嶺絵里奈(なはーと企画制作主任専門員)
チラシ(PDF)
- # 沖縄芝居
- # トークイベント
- # 真喜志康忠
- # 作品映像上映
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- # トークイベント
開催日程概要会場料金日時ジャンル主催企画制作特別協力
2023年07月17日(月) |
沖縄芝居の名優、真喜志康忠の作品映像上映や関係者による座談会を開催します! |
小劇場 |
無料 *要申込み |
2023年7月17日(月・祝) 14時~16時30分(開場13時) |
伝統芸能、トークイベント |
那覇市 |
那覇文化芸術劇場なはーと |
真喜志きさ子(琉歌乙姫会 主宰) |
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☆ついでに「真喜志康忠生誕100年イベント」に関連して研究発表をします。
ご紹介します。これは今年6月24日に名桜大学で開催される「沖縄外国文学会」で研究発表します。ご興味のある方はぜひどうぞ。しかし20分ほどの発表に10分ほどの質疑ですので、深くご紹介できるかは心もとないですが~。
研究発表要旨:
沖縄芝居とシェイクスピアの受容
―真喜志康忠作、演出、主演「按司と美女」と「落城」が示唆するもの
真喜志康忠(1923―1911)は「100年に一人」[i]と称せられる沖縄演劇の名優である。奇しくも今年は氏の生誕100年に当たる。真喜志(敬称略)は国の無形文化財組踊保持者として認定された立方でもあった。1949年に旗揚げした「ときわ座」の座長として劇作、演出、主演、制作を担い、真摯に戦後沖縄演劇の創造と発展に骨身を削ってきた芝居人生だったことは残された著書[ii]に詳しい。
今回の発表では、真喜志の作品を取り上げることによって、改めて近代から現代にいたる沖縄芝居の発展に貢献した氏の斬新さと時代の経緯を作品分析と諸批評や資料から明らかにしたい。
沖縄におけるシェイクスピアの受容の歴史は明治39(1906)年、球陽座でオセロを上演した記録が残っている。当時東京で川上音二郎が上演した「オセロ」の二番煎じ的な舞台だっただろうと、推測されている。他に「ハムレット」「ロメオエンドジュリエット」なども上演されている。真喜志は戦後10年内外にシェイクスピアの「オセロ」と「マクベス」の翻案劇「按司と美女」そして「落城」を創作している。翻案とは言え全くオリジナルの沖縄芝居である。筋も登場人物も背景も異なる。平良進によると、一座で繰り返し上演しながらきちんとした脚本にまとめられたという。ゆえに従来の口立て芝居役者はついていけなかった。新劇のように脚本を覚える必要があったのだ。その点でも真喜志が単に伝統的な沖縄芝居(琉球史劇や時代劇、琉球歌劇)とは異なる演劇形態を目指していたことが分かる。
「按司と美女」は当初「風雲南風原城」として50年代初期に上演されその後題名が替えられた。「オセロー」が嫉妬と劣等感ゆえに妻を殺すシェイクスピア悲劇に対して、真喜志作品は勧善懲悪に終わる沖縄芝居のパターンを継承しながら、普遍的な人間の心の葛藤が芝居の様式の中で表出されている。
「落城」は1958年、第3回琉球新報演劇コンクールで入選した作品で、真喜志は最高演技賞を受賞。500年前の按司時代を背景に描かれたこの作品は、組踊の仇討物系統の作品で、女性の教唆と色香と知恵に翻弄され、命を滅ぼす男たちの因果応報の世界を描いている。シェイクスピアの『マクベス』のダンカン王殺しの第一幕五場から第二幕第一場がうまく取り入れられている。
真喜志が伝統様式を超えて時代に即した新しい演劇に挑んだ作品の事例である。しかし、大城立裕は、優れた「落城」が商業的に受けなかったと聞いて暗い気持ちになった[iii]と率直に書いている。そこに一般観客との落差を見ることができるが、一方で真喜志が時代を先取りしていたことを意味するのではなかろうか。
[i] 「ときわ座」に13年間在籍した平良 進はその通りだとインタビューで答えた。(2023年4月9日、録音)。また大城立裕は「明治以来、うちなー芝居の名優は何人かいるが、彼を抜く役者は出ていない。希代の名優、“ウチナー芝居の鬼”と表現した。」山川典二ブログ名優・真喜志康忠(まきしこうちゅう)さん逝去 604号:山川典二のブログ (ti-da.net)
[ii] 『沖縄芝居五〇年』(新報出版、1983年)、『沖縄芝居と共に』(新報出版、2002年)
[iii] 『沖縄演劇の魅力』(沖縄タイムス社、1990)p.56
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