志情(しなさき)の海へ

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「沖縄という場所からー私の文学ー」by大城立裕はいいね!組踊というジャンル→琉球という場所の象徴

2013-04-04 00:45:51 | 表象文化/表象文化研究会

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久しぶりに大城先生からの封書が届いていました。先生がお元気で闊達にことばを繰り出されていることが大きな励みになっています。立教大学に招聘されてお話された講演が言葉としてまとめられたようです。敗戦と般若心経、全方位思考の文学、女性文化の行方から、で構成されています。ご自分で作家として創作に向き合ってきたこの間の経緯を率直にお話されています。大城先生の律儀さ、真摯にご自分に向き合われていることばはすなおに入ってきます。表紙と最後のページをご紹介します。

薩摩の略奪にも、戦争にも奪われなかったもの、基地にも奪われない琉球・沖縄の文化・アイデンティティーのありように目が向けられています。すでに23作品の新作組踊を創作されたエネルギーに畏怖を覚えます。大城先生の詩劇へと統合されていった創作の過程はとても興味深く、その全容を見据えてみたいと思っていますが、少しでも言葉による体系的な論が書ければと考えています。

「作品たちにはそれに耐えるようなテーマの普遍性をもたせたつもりですが、組踊というジャンルそのものを、琉球という場所の象徴とみることは乱暴でしょうか?」と書いていますが、そんなことはありません。まさに「組踊」は「琉球という場所の象徴」に他なりません。

今や世界のどこにいてもすなわち世界の中心であり、ローカル→グローバル、グローバル→ローカルな時代です。固有性と普遍性が同居する場と空間にわたしたちは生き生かされていると言ってもいいのかもしれません。敗戦の坩堝をへて般若心経と出会われて、すでにして全方位志向の文学を目指したと書かれる大城先生のアンテナの広さに驚きます。琉球・沖縄の地平がすでにしてそうした知覚をもたらしていたのかもしれません。


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