志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

沖縄県知事選挙、伊波洋一と仲井真弘多の違い!

2010-11-21 10:10:02 | 政治の潮流
選挙の争点は、普天間や辺野古に関する限り、伊波洋一(58歳)と仲井真多(71歳)の主張は、変わり映えがしないように見える。今、誰が勝っても辺野古移設はない、と鷹の目になっていたことを反省せざるをえない。しかし、県民党を訴え、イメージカラーの黄色で先取りして、まさに県民の心を一つにと、ポスターでも目に優しげなコピーをバラ撒く仲井真陣営の問題が、例えば、目取真俊のブログ≪海鳴りの島から≫や、今朝の新報紙面で島袋純が展開している論からはっきり見えてくる。

我部政明の「県外からの解釈」は、選挙の結果を受けての日本や米国の動向を論じている。対して島袋純は≪似て非なる[県外」文脈≫を論じていて、曇ったメガネがクリーンになった思いがした。

島袋純の解釈はこうだ。つまり伊波さんの【日米安保条約の廃棄・「平和友好条約」へ改正】の主張は、軍事力を行使しない麗しい日本の憲法だが、他のどの国より軍事力や兵器を使う米軍基地を戦後65年間沖縄に押し付けてなりたっている日本の戦後の政治構造を根本から、変革(転換)する視座を沖縄から日本に突き付ける選択、だということである。つまり戦後のアメリカ依存の従属的政治・経済・文化構造を真っ向から変えていくか否かの選択でもある。大胆に日本の根幹の政治構造の転換を促している。

対して仲井真は現在の「日米安保条約」を、守るべきものとの姿勢である。つまり仲井真の考えは、日本政治の抜本的な転換につながるものではない。現在の米軍の特権的基地運用も日本政府の基本的スタンスも踏まえながら、状況を間延びさせながら、「長い物には巻かれよ」の姿勢だということが明らか!嘉手納の爆音も普天間の基地解決も長引かせていい、というスタンスである。
 日米の踏み石沖縄を少しずつ日米の威光(意向)に沿いながら変えていくという立場であり、今後100年間米軍基地の楔を是とする姿勢だ!任期は4年、彼は公約を少しでも実現したい、県民の意思は尊重して辺野古に移設させない、県外へと一応ころころと姿勢を変えてきた。

八方美人的な対応である。中央のライオンとやりあうためのキツネやタヌキの老獪さを見せる。一挙に基地が動き、日本の政治が変わりようがない、と見越した庶民の感覚にもすり寄っていると見える。だからその点で無難ということで、仲井真支持は多いのかもしれない。しかし、抜本的な基地問題の転換こそが、沖縄の陸、空、海の全てを、米軍の檻に囲われた沖縄に、発展をもたらすことは明らかだ。

いわゆる識者の論評は、「日米同盟は薄まる方向にある」「安保は沖縄差別の出発点」「東アジア共同体の構築へ」「脅威論は危うい」「新たな枠組み提起を」「アジア統合避けられず」「沖縄は東洋のジュネーブに」「米依存乗り越える時期」などの見出しが紙面で踊っている。つまりすでに民主党政権のコンセプトも仲井真のコンセプトも「時代遅れ」だということが見え見えである。一方でメディアは、相変わらず中国脅威論を持ちあげて国民の不安を高めようとやっきになっている。騙されてはいけない。

アメリカのマイケル・ムーアがアメリカの問題の焦点をガス抜きするように映像化して利潤を手にしているようだが、弱者を代弁するふりをして体制強化に一役買う輩もいる。欺瞞を見ぬく眼を持つことが問われている。真に未来の安寧をもたらすのは誰か?核を搭載した艦船や潜水艦、F22が情け容赦なくやってくる沖縄を拒絶したい。普天間は無条件に返還されるべきである!その跡地利用は、基地から多大な恩恵を受けた日本人の代表の政府が即座に予算化すべきだ!と考える。

沖縄の知事になる方は、沖縄/琉球諸島を取り巻く環境を一方的な中央と地方の関係に縛られない多方向の政治戦略が要求されよう。戦後日本の欺瞞を暴いていくことが重要で、その楔としての沖縄は、これまでの歴史・構造を「暴力的差別だ」、との認識を深めている。それをもっと踏み込んだ対応が求められている。

<雨に打たれる芭蕉の葉、二階から撮った写真>

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。