「沖縄タイムス」と「琉球新報」の組踊ユネスコ登録記念特集の取り上げ方の差異が興味深いと感じた。「琉球新報」はかなり力を入れ、予算も多く割り当てた様子がうかがえる。対してタイムスはシンプルに現在の視点を感じさせるように新作組踊をすでに18作も創作した大城立裕氏のエッセイ「組踊の魅力」を掲載している。新報は座談会記事を両面見開きで載せる力の入れようである。しかし不思議と座談会のメンバーの島袋光春、西江喜春、大城学、若い嘉数道彦も新作組踊に言及しているが、どなたも大城立裕氏の新作組踊の作品名をあげるなど、明確に言及していない。これは不思議だ!いかにもの座談会である。嘉数の新作は面白い。泣かせる。『十六夜朝顔』にしてもなかなか親子愛を描いたメルヘンである。しかし大城作品ほどの大胆さは全くない。
現在何が起こっているか?すでに9作も上演された新作組踊に対して名指しでコメントを避けるその姿勢が「あら、不思議」である。一方タイムスは「琉歌と唱えリズムに工夫」したとする大城立裕氏直々の写真とコメントである。大城氏の凄さはもっと検証すべきだと考えている。
いろいろ考えさせられた。組踊は何度見ても誰が演じ、誰が地謡をするかによって出来栄えも味わいも変わるので、好きなこれといった立役と地謡が舞台を飾ると、また見たくなるし、聴きたくもなる。しかしね、変わり映えせず、台詞も間違う保持者・伝承者が舞台に立つと、興覚めで、しばらく振り向きたくなくなる。それに全く同じような仇討物が多いので、飽きてしまう。実は舞台の様式だから安穏と見ているが、仇討物のリアりティーは残酷である。仇を討つ時、殺しているのである。女子供までーー。仇を討たず殺しがない「大城崩」などもあるが、なぜ仇討物が多いのか?気になるところである。
おそらく従来の視点の研究と異なるモノがまた展開される必要があるようだ。それは日本本土や世界の演劇との比較の視点が試されている。それから能楽や歌舞伎や浄瑠璃もユネスコ指定を受けた。受けた当座は人気があったが、つまり若者も能楽を見たりとーー、しかし熱が冷める。今では歌舞伎は実に高い入場券でも払って見る者たちが多いが、お能はどうだろう?歌舞伎的なものは「沖縄芝居」である。民俗芸能の方が観客の入りはいいと大城学さんは話していたが、「国立劇場おきなわ」は、芝居を演じるに足る劇場ではないのである。
政治家は県立劇場を建築すると約束しているようで、選挙公約によると、とてもいい事である。是非公約は実行してほしい!伝統文化の中軸は組踊と座談会のみなさまは意気揚々とお話されている。多良間の8月踊りでも主軸は組踊だ。しかし近代以降、芝居の面白さが組踊を支えてきたのである。組踊だけでも片手落ちなんですよね。明治以降、観客の視線にされされて登場してきた芝居の面白さがあってこその組踊ですよね。新作組踊は伝統組踊と沖縄芝居と現代的センスが融合するからこそ面白いのです。
大城立裕さま、20作まで頑張ってください!「愛の組踊」に取り組んでいる、という貴方は超素敵です!
<通勤途中に車の窓から撮ったススキ、なぜか今、ススキにこころが吸い寄せられている。ススキが風に乱舞する様が自分自身のような気がしている>
現在何が起こっているか?すでに9作も上演された新作組踊に対して名指しでコメントを避けるその姿勢が「あら、不思議」である。一方タイムスは「琉歌と唱えリズムに工夫」したとする大城立裕氏直々の写真とコメントである。大城氏の凄さはもっと検証すべきだと考えている。
いろいろ考えさせられた。組踊は何度見ても誰が演じ、誰が地謡をするかによって出来栄えも味わいも変わるので、好きなこれといった立役と地謡が舞台を飾ると、また見たくなるし、聴きたくもなる。しかしね、変わり映えせず、台詞も間違う保持者・伝承者が舞台に立つと、興覚めで、しばらく振り向きたくなくなる。それに全く同じような仇討物が多いので、飽きてしまう。実は舞台の様式だから安穏と見ているが、仇討物のリアりティーは残酷である。仇を討つ時、殺しているのである。女子供までーー。仇を討たず殺しがない「大城崩」などもあるが、なぜ仇討物が多いのか?気になるところである。
おそらく従来の視点の研究と異なるモノがまた展開される必要があるようだ。それは日本本土や世界の演劇との比較の視点が試されている。それから能楽や歌舞伎や浄瑠璃もユネスコ指定を受けた。受けた当座は人気があったが、つまり若者も能楽を見たりとーー、しかし熱が冷める。今では歌舞伎は実に高い入場券でも払って見る者たちが多いが、お能はどうだろう?歌舞伎的なものは「沖縄芝居」である。民俗芸能の方が観客の入りはいいと大城学さんは話していたが、「国立劇場おきなわ」は、芝居を演じるに足る劇場ではないのである。
政治家は県立劇場を建築すると約束しているようで、選挙公約によると、とてもいい事である。是非公約は実行してほしい!伝統文化の中軸は組踊と座談会のみなさまは意気揚々とお話されている。多良間の8月踊りでも主軸は組踊だ。しかし近代以降、芝居の面白さが組踊を支えてきたのである。組踊だけでも片手落ちなんですよね。明治以降、観客の視線にされされて登場してきた芝居の面白さがあってこその組踊ですよね。新作組踊は伝統組踊と沖縄芝居と現代的センスが融合するからこそ面白いのです。
大城立裕さま、20作まで頑張ってください!「愛の組踊」に取り組んでいる、という貴方は超素敵です!
<通勤途中に車の窓から撮ったススキ、なぜか今、ススキにこころが吸い寄せられている。ススキが風に乱舞する様が自分自身のような気がしている>