(ピンクの傘をかぶって踊ろう!)
まだ20代の頃パリの街を歩いていて楽しかった。何よりカラフルな色彩が楽しかった。ウインドーショッピングもどきだが、ショップの中の色鮮やかなハイヒールに心が浮き立ったことを思い出す。そして今、目の前にピンクのシャツと橙色の鮮やかな革靴を履いた男性が、色男然と、颯爽と、歩いていたのだ。パリのおしゃれな男性のような雰囲気である。やはりそこだけ風が微笑んでいる!涼しげな空気が辺りを包んでいた。んんん、恋が彼を色男にし、彼の心を浮き立たせている。ほほえましい色にこちらもほのぼのとしていた。
彼が愛する女性はまたクールで穏やかな話しぶりで、時がそこだけ少しゆっくり流れている風なのだ。大きな目が見つめる感性の鋭さは、創造に魅入られながら斜めにも、後ろからも対象を見据えることができるような、そんな、情熱を奥に秘めた愛らしい女性、二人の恋の行方が、手と手をつないで歩いていく。いいね!エールを!いつでも青春、いつでも春はめぐってくる。いつでも明日を虚の歩みのどんよりとした命の営みと異なるワルツのリズムへ、ヨハンシュトラウスのワルツを聞きたくなる雰囲気の、そのどことなくやはり禁忌を超えたもの、つねにある線を、壁を超える者たちの勝利の風、そこに生きている歓びが溢れている。そうした対のワルツ、橙色の革靴が踊っていく、そうした少し曇り空の下も、ステップで飛びたい空気、彼は今 Top of the World!なんだね。羨ましい春!わたしの君は橙色の靴を履けるかな?眼のさめるような青い革靴がいいね!それとも海の色のスニーカーがいいかもしれない。
70代半ばで恋した女性が5年間、とても燃えたと証言する春!
萌えはここかしこに!
恋する60代とクールな30代の春!
恋が消える春
どんよりと虚が辺りを包む春よりピンクと橙色!
明日、わたしもピンクのスカーフを巻いて歩こう!
幸せのワルツの乱舞!蝶たちが舞うように
実りの恋のそこだけぼーっとして灯りが灯っている!
生きているっていいと思える時、
謝!なぜか明日いい事がありそうな、そんな気持ちにさせる二人!
春!春、春、
21時前にキャンパスを歩いていると、恋人のコオロギさんは
今夜もリーリリリリリー、リーリリリリリーと美声を浴びせてくれた!
んんん、頑張れるかな!