
以前は60倍ズームで写真を撮ったりした。でも持っていたのはスマホだけだ。橋の下の池に一羽突っ立っていた。拡大するとぼやけてしまった。「君に出会えたことだけで満足しなければね」とつぶやいた。一羽の孤高性を感じさせる青サギさんだ。
白鷺は木の上で、番なのか、元気そうにみえた。望遠カメラを持っていないことが悔やまれた。渡り鳥のアオサギさんなのか。冬になると姿を見せるのらしい。と言っても、寝袋に寝て研究室に篭もっていた時は朝から橋までよく歩いていたが、今ではほとんど行く機会がなくなった。
なつかしさは記憶と共にやってくる。時は止まらない。通り過ぎていく。消えていく多くの通りすぎていく者たちがいて、橋や池はあり続ける。