「男女共同参画事業」はツイターのトレンドの一つになっているのらしい。令和2年度分関係予算が(総額10,4兆円)。ある方はツイターで「個人的な注目ポイントは男性はもちろん一般女性も受益できてなさそうなことです。誰が受益しているのか疑問ですし、必要性も疑わしい気がします」とつぶやいている。
ある方は「実質的に国民に貢献せず、怪しいNPO周辺に約20兆円(消費税収に匹敵)が流れていく」とつぶやいている。
果たして沖縄県の「男女参画事業」はこの間、どんな成果なり功績をもたらしているのだろうか。今年は、「第6次沖縄県男女共同参画計画~DEIGOプラン」(令和4年度~8年度)のスタート及び復帰50周年の節目の年だという。という事で国連事務次長やジェンダー・スペシャリストを招聘している。アメリカからの招聘ゆえにかなりの予算が組まれているに違いない。しかし中満さんの基調講演は45分の時間の中にコンパクトに世界の状況、日本・沖縄の現状をマクロに、ミクロに、データ、数値を網羅しながら語り、包括的なジェンダー平等の現在の状況、国連の理念をわかりやすく話していた。
復帰50周年記念 女性活躍推進シンポジウム~一人ひとりが輝く未来へ~
中満さんによると、「女性の権利は人権である」とヒラリー・クリントンは語り、「男女平等は後132年間かかる」とWEFは推定しているという。かつ、増大する世界の様々な紛争や問題の中でジェンダーの取組は遅れているがそれはパワー、権力の問題、家父長制が世界を支配してきたゆえでもあり、ジェンダー平等、女性の地位向上というテーマは、男性も含め世界の状況が良くなることを意味すると明言した。沖縄だけではなく格差がますます拡大していることが推測できるこの地球社会である。
日本のジェンダー指数がかなり悪いことは、よく知られている。146カ国中116位の日本のジェンダーギャップは大きい。構造的な問題。意識と文化の影響を中満さんは指摘した。
「男女同じ権利と機会を持つこと=フェミニズム」の社会的実践が徐々に改善されているのはチョムスキーもよく発言している通りだが、日本の場合、なぜかジェンダー指数はかなり悪い。多くの女性たちの個人としての尊厳なり自立(律)が十分尊重されていない社会システムだということを自ずと示している。
世界という鏡に照らして、日本や沖縄を見据える眼差し、そして発言は中満さん、大崎さん共に説得力があった。希望は声をあげ続けること、理想を投げ捨てないことか~。エリート層の女性と収奪される女性たちとの連帯はありえるか?大学のジェンダー室は連合のような形態?
パネル討論も面白かった。大崎さん(ジェンダースペシャリスト)はグローバル・ナショナルに向き合ってきた方だ。明瞭に話した。沖縄からはモデレーターの喜納育江さん、パネリスト;大崎麻子さん;平良いずみさん、玉城 絵美さん
それぞれに身近な体験から繰り出される言葉は示唆に富んでいた。女性ならではの想像・創造の魅力とジェンダー差異がないアバタの登場するAIとメタバースの融合する空間(玉城絵美さんのAIなどと仮想空間の開発などのトーク)など~、興味深かった。
一方科学技術はAIの登場だけではなく、人工子宮でジェンダーギャップを変容させる可能性がある。女性の産む性としての役割も変容していくに違いない近未来だろうか。人工子宮に妊娠を「外注」できる未来では、女性、家族、人間はどう変わりうるのか?
結婚し子供を育てる母親であり、かつキャリアとして国の境界なくグローバルにナショナルに能力を発揮できる女性たちのキラキラした輝きがあり、一方で大学教員の知識人層の女性に独身が多い(?)。そして子供を生み育てる多くの女性たちの属性がある。家庭、職場、地域、社会全体の中のジェンダー平等に取り組む課題は大きいに違いない。社会の下部構造(経済)の中で沖縄女性たちの状況は、シングルマダーが多く、貧困に晒されているという現実は、「誰も取り残さない」という県の方針・目標が達成されてこなかった事を意味するのだろうか。それとも社会の構造、慣習、文化の中に問題が潜んでいるのだろうか。
最貧困県おきなわは変わらない。米軍基地の足枷は見逃せない。琉球列島そのものが米軍の演習地になっている。キーストーン沖縄が平和のキーストーンにならない限り、本質的なジェンダーギャップ解決の道のりは遠いように思える。しかし、シンポジウムを視聴して、ジェンダーギャップの解決は意外と早いのかもしれないと予見させた。問題意識の共有と実践が鍵のようだ。