志情(しなさき)の海へ

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組踊の系譜ー朝薫5番から沖縄芝居、そして「人類館」へ、のシンポジウムは120人以上の方が参加!

2012-02-09 22:37:16 | 琉球・沖縄芸能:組踊・沖縄芝居、他
             (力強くお話する伊良波さゆきさん、新城亘さん、玉城盛義さんもご一緒です!)

予想を超えた参加者で、驚いたのが正直なところです。御記名された方が91人でそのまま会場に足を運ばれたみなさまも含めて120人以上の参加者でした。

中身はたっぷり3時間で、少し時間をオーバーしたのですが、みなさん熱心に聞いてくださいました。基調講演もなかなか普段お聴きできない當間先生のご研究の一端が開示されたお話でした。組踊写本研究の第一人者でもある先生のこの間のフィールドワークの凄さが迫ってきました。

会場には沖縄芸能を担っておられる西江喜春先生や岸本吉雄先生をお始め、琉球舞踊会からも又吉静枝先生、渡久地美代子先生、池原勝子先生、大城康彦先生、若手の知花小百合さんなど、また『人類館』を題にあげたゆえでもあったのか、仲里友豪さん、謝名元慶福さん、川満信一さん、仲里功さんも参加してくださいました。遠く名古屋からは酒井芳貴先生がお見えになっていました。

組踊の系譜の流れが現代までどのように芸能史に脈打っているのか、基調講演のレジメの中に基本的な軸をしっかり當間先生は書かれています。研究となると途方もない感じがしますが、芸能史=歴史=文化誌=思想史の奥は深いと言えます。レジメをここで紹介したいのですが、いずれ続くシンポジウム「劇場と社会」と共に製本にしたいと考えています。

パネリストのお話もなかなか良くて、「組踊上演の現在」の分析の新城亘さんは、その緻密な掘り下げと分析に圧倒されました。
2011年に上演された古典組踊、民俗組踊(村々の組踊)、新作組踊など総体は89回、その中で紙面から漏れているものも推測できるが、何と四日に一回は公演がなされ、しかも東日本大震災の影響か、「花売りの宴」の上演がトップでそれに「手水の宴」「万歳敵討」「執心鐘入」と続いている。時代の相が組踊にも映し出されていたのである。

また伊良波尹吉を祖父に持つさゆきさんは、組踊のつらねや型と伊良波尹吉作品の詞章や歌の類似と違いなど、短い30分に力強く発表していました。玉城盛義三代目も沖縄芝居実験劇場の現代表としてかつての名優真喜志康忠氏や間好子氏から教示を受けた貴重な体験をお話し、その人柄の良さ、やはり玉城盛重氏を血筋にもつ玉城流の代表として堂々としたお話でした。沖縄から世界へと展開していく今後の沖縄芸能・演劇の未来を予測させるものでした。

芸能を舞台で演じ、披露する事と実際にそれを語る時の差異について、メールで鋭く指摘してこられたのは仲里功氏でした。
沖縄芸能をどのように公共の空間で提示していくか、唄や踊りについて話す時も総体的表現性が問われているのだとの指摘です。つまり他者化されない独立言語の在りかたです。

「沖縄芸能は演じるだけではなく、話の現存性も含めて総体としてあるのだということーー沖縄の言語を独立した言語として沖縄芸能だけでなく小説や詩などの文学表現においても、表現の総体としていかに組み立て直すことができるか、真喜志康忠氏の死の後に芸能界に問われているのはそのことではないでしょうか」(仲里氏の問)

最近雑誌「未来」で(沖縄と文学批評)を連載されてきたという仲里氏の視点は鋭いと感じさせます。沖縄の詩人や小説家の言語葛藤の問題を論じてきたのらしい仲里さんの論稿は全部読みたいと思います。シンポジウムの最後に私は問いかけました。ユネスコが世界無形文化財として登録した組踊ですが、同じくユネスコが独立言語と認めた言語認識に沿ってないのではないかとーー。すると首里方言=組踊詞章の認識は矛盾します。またウチナーグチで下手でもいつでも話せる空間がないのではないかと、問いました。ユネスコで世界無形文化財と登録されても衰退する芸能もあります。それを保持・継承・発展させるには沖縄民衆の力が大切ということになります。

最も根にある言語をどうするか、大きな課題ですね。ウチナーグチだけで語りたくなっている心境は何ゆえだろうか?自立した言語としてのウチナーグチ口語があり、そして唄・三線があり、組踊、沖縄芝居があります。他所モノではない、身近なモノ、一般大衆の無意識の夢としての舞台芸術、それを自立した言語で理解し、話し合う空間を創造する文化運動が必要なようです。

(県立図書館に立ち寄ったら近くの川沿いの桜が満開です!)

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今回のシンポジウムは文章化する予定です。来る3月11日の『劇場と社会』のシンポジウム(県立博物館・美術館講堂、午後2時から6時)もまたよろしくお願いします。今回、広報に関しましては、琉球新報は芸能欄で告知していただきました。また沖縄タイムスは文化欄に原稿用紙1200字ほどの「組踊の系譜」に関するエッセイを書かせていただきました。両紙の広報(後援・協力)に深く感謝しております。3月11日のシンポジウムもよろしくお願い致します!

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