小西潤子先生のご発表はPPTがとても明瞭でした。現在の沖縄芸能とその独自性=独自な多層性を示す文化と定義する。沖縄音楽を支えるのは三線だが、三線と沖縄音楽へのまなざしの錯綜のまとめなど、分類は参考になった。しまくとぅば、それぞれの間切りのことばと三線の関係、三線への卑下、プライド、あこがれなど、昨今の世界のウチナーンチュの動向も含め、三線音楽への視点の変容などはもっとあってもいいと感じた。近代の沖縄の音楽文化については昨今は博論でもまとめられており、日本への同化の過程における実態がさらに浮き彫りにされていくことが、予測できる。三線文化の歴史をもっとディテールを見たい、遊郭での芸能を含め、疎外されつつも、しかし、それを生活の糧として生きてきた遊郭の女性たち、士族層の娯楽・道楽としての三線、古典、民謡もあった。→三線を弾くのは、富裕層の男性と遊女(じゅり)たち。←昨今の研究テーマとも重なるところが見えた。
沖縄芝居の南洋巡業も手に入るデーターを整理してPPTで報告された細井尚子先生でした!
沖縄芝居役者の瀬名派孝子さん、伊良波さゆきさんの登壇は、長い時間ではなかったが、ウチナーカラジでウシンチー姿、優雅な落ち付いた色合いでした。
(この午後のシンポジウムの時ICレコーダーに録音していたのですが、宿に戻ってみるとあったはずのIC-レコーダーが見つかりません。確かに椅子の上に置いていました。翌日上田先生に問い合わせてみたのですが、会場を整理した方も落し物として確保していませんでした。立教大学の素敵なキャンパスのイメージが、落し物が戻らない大学のイメージへと変わってしまったのは残念です!)