サザエさんの家に出てくる勝手口。
八百屋さんとかが、配達物を玄関では無く台所の勝手口に「毎度~!」と云って届けてくれる。
私の旧家屋にもその勝手口がありました。
台所は北側にあり、冬になると那須おろしの強風がもろに当たるところです。
なぜかそのドアには通気口があり、常に閉めていても強風の北風が吹くとそこから風が入って来ました。
当時は、暖房はファンヒーターでしたので、頻繁に灯油をタンクに入れる作業が有り、外に置いてあるポリタンクを取りに行くには便利だったけど、それだけ。
別に八百屋や酒屋が配達に来る事も無く、勝手口を設ける事によるメリットは無く、逆にそのスペースを設ける事のデメリットばかりだった。
人間どうしても今まで有ったものは、何の考えも無くそれを継続したがる。
自分も、設計当初は要否に関わらず今まで有った勝手口を付けようとしていた。
しかし、勝手口を付けるとなると、そのスペースの確保や、キッチンの連続性が失われたり沢山の課題が出て来る。
そこで、ふとその必要性について考えて見た。
「ない。。必要無し!」
自分の環境には必要性は全くない事に気が付いた。
ただ、玄関と反対側に行く必要はあるので、玄関からしか出入りが出来ないとなるとそれはそれで不便さは生じる。
そこで考えたのは、「ウッドデッキ」
キッチンと同じ部屋の吐き出し窓の外にウッドデッキを設ければ、外でコーヒー飲むのにも都合が良いし、ウッドデッキから下に降りれば玄関の反対側の畑にも近いし、駐車場もウッドデッキのすぐ脇に作ったので買い物から帰って来て重い荷物はすぐこのウッドデッキに置いて、玄関から入ってこのサッシを開ければキッチンに難なく持ち込める。
一石三鳥の様な使い勝手のよい物になった。
勿論、全ての家で勝手口が不要とは云わない。
これは一例だが、家を建てる時には一つ一つの機能について、「何となく」では無く立地条件含めて具体的な状況を目に浮かべながら要否を判断する必要性があると感じます。
建ってから後悔しても、誰かの責任に仕立てても仕方ないですからね。後にも先にも設計の段階が全てで、期限もありますし、睡眠時間が・・・なんて云ってる場合じゃ無いです。
旧家屋は震災の被害で傷んでいて震度3程度でもギシギシ音を立てるし、急いで居たので私はほぼ一ヶ月間、睡眠時間は4時間以内でした。
そんな検討し尽くした家に不満など出るわけがありません。
誰に質問されても全ての間取りに意味があり、説明可能です。
楽をしたいのであれば、建て売りの実際の物を見て購入するのも賢い考えかも知れませんね。
実際、私も最初に中古の家を購入した時にはそんな動機からでした。
人が暮らすには、家もそうですが周囲の環境も自分に合った場所である事が快適な生活には最も重要だと考えます。
その場所に住んで、その場所の環境を良く知り、そこに合った家を造れれば、これ以上の好条件はありません。
住まない事には始まらないと、中古住宅を買いました。
この話は、別なノウハウにつながります。
次回。