ライト マイ ファイア 伊東潤
この人の作品、初めて読みました
古本屋で店員のおすすめの棚にあったので、何気にとったのですが
なかなか面白かったです
ストーリー
2015年、東京の下町の簡易宿泊所が放火され多数の死者をだします。
犯人を捜すため刑事の寺島は死者の遺留品から当たっていくのですが
紆余曲折をへて 1970 「HJ」とかかれたノートにたどり着きます
しかし捜査はそこで行き詰ってしまいます。
場面が変わり、1960年代後半。学生運動が真っ盛りの時代
警察学校を出たての三橋は、公安に呼び出され
大学の学生運動セクトへの潜入捜査を命じられます。
三橋は、中野と名前を変え学生運動の闘士となり
学生運動の指導者のひとり白崎に近づき、信頼をえていきます。
学生運動は、赤軍派へと形を変え、「よど号」事件が起こってしまいます
とまあこんな感じ
ここから先はネタバレ注意
1970年のよど号事件と2015年の放火事件がどのように結びつくのか
けっこうおもしろく読ませていただきました。
2015年、寺島刑事の捜査は緻密でリアリティーもあり、さもありなんと
思いましたが、1970年の学生運動からのよど号事件に関しては
拙速感で「ん??」と思わせるような展開がありましたが
実際、赤軍派なんてこんな感じのええかげんな組織だったかもしれません。
ラスト寺島刑事の縦糸と三橋の横糸が交差するときに
意外な事実が浮き上がってくるという感じでサスペンスの要素もあり
楽しめました。
よど号事件関連の拙速感が、惜しいですね
ライト マイ ファイア もドアーズの曲から取ったのでしょう
わしら世代より少し上の学生運動世代にはドンピシャかもしれません。