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悪の五輪 月村了衛

2022-08-23 11:40:05 | 読んだ本の紹介
悪の五輪 月村了衛著



先日、先の東京オリンピックにからんで、腐れ電通の元重役とAOKIの重役が

贈収賄で逮捕されました。

こんなもの、オリンピック利権の氷山の一角でしかないでしょうね



皆さんもご覧になったと思いますが、なんですかあの開会式

3流芸人がちょこまか動くだけ。

あれが全世界に配信されたと思うと、恥ずかしさで身がよじれそうです

あれほどの金をかけて、なんであんな結果になったか

全部、電通に金が流れて、電通からいろんな黒幕に金が流れてるんでしょうね

オリンピックなんか、フィクサーの集金マシンでしかないってのが

よくわかりました



そんなことどうでもええんですけど

あほな国民はもうそんなこと忘れてますからね



そんなことを思いながら読んだこの作品

前回1964年の東京オリンピックを題材にしてます

あらすじは

1963年3月21日、翌年の東京オリンピック開催を前に、

公式記録映画の監督を務めることになっていた黒澤明が降板したことから物語が始まる。



博打をしのぎにしている白壁一家の人見稀郎は、親分からの指示を受け、

中堅監督の錦田を後任にねじ込んで、興行界に打って出るべく動き出す。

人見は、やくざには珍しく映画フリークで映画の評論には一家言持っていた。



公式映画の監督になるには

オリンピック組織委員会の中の記録映画小委員会が決定権を持っており

そこには政治家、財界関係者が名を連ねていた。

人見は、決定権者の裏を探り、弱みを握り、女をあてがい、いうことを聞かせる



しかし、オリンピックという途方もない利権に絡む

魑魅魍魎たちが、人見の動きを察知し、妨害し利権を奪おうと人見に襲い掛かります。



人見は、知恵と度胸でその危機を回避すべく、

伝説のヤクザ・花形敬や、映画界の大物・永田雅一、ひいては同和団体の大立者まで

まきこみ、一介のチンピラやくざが命を懸けて、映画界での地位を築こうとあがきます。



東京が、日本が劇的に変貌を遂げた昭和の東京オリンピックをモチーフに、

現代エンターテインメント小説の旗手が放つ、長編社会派クライムノベル。



あらすじはここまで

実在の人物、黒澤明、映画界の永田雅一、伝説やくざ花形、若手監督若松、

そして、戦後最大のフィクサー児玉誉士夫が登場し

人見に絡んでいきます

まるで、実際のノンフィクションのように描かれています

一場面ですが、田宮二郎、野中広務も登場します。



実際の東京オリンピックは、市川崑が監督をしました

この本の中では錦田として描かれている3流監督が市川崑のモチーフになってます

市川崑は、当時の名女優有馬稲子に執着し

中絶を強いたり、不倫関係の継続を要求したり好き放題してそうですね

この悪の五輪の最後では、市川崑が監督に抜擢されていますが

それは、作者の皮肉でもあったのですね。



1964年、映画がエンタメの最前線。

肩で風を切る、映画村の面々の活気を描いてます

しかしじつは、この年を境に映画は斜陽の道をたどるのです

そう、テレビという魔の手が現れたのです。



そして今、テレビという最強のエンタメであったものが

ネット動画という新手のコンテンツにとってかわられようとしている

歴史は繰り返すってやつですね。



そんなことはどうでもええんです

この本、面白かったですよ。ぜひどうぞ



























コメント (2)
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