ぶろぐ猫の目

笑う門には福来る・・

実験中

俗物図鑑 やばい

2022-10-29 09:36:05 | 読んだ本の紹介



俗物図鑑



ブックオフで見かけたので、懐かしくて買ってしまいました

1972年発刊の筒井康隆の長編小説です。



筒井康隆は、中学の時に読んでその世界観に没頭したもんです

にぎやかな未来、アフリカの爆弾、アルファルファ作戦、日本以外全部沈没

日本列島七曲り、農協月へ行く、メタモルフォセス群島、宇宙衛生博覧会、

短編、ドタバタ、スプラッタ、エログロのオンパレード

中坊の心をわしづかみにしてましたね

かと思えば、時をかける少女でメジャーとして一世を風靡しました



わたしの読書遍歴の原点と言っても過言ではないですね

一番最初に読んだ文庫本は、眉村卓のC席の客でした

そこから始まってショートショートが好きで、星新一へ

そして行きついたのが、筒井康隆w



中学の教室で、わしに似たような連中が話してて

「世界汚いもの食べる選手権があってん。誰が優勝したと思う」

「痰ツボ飲んだやつが優勝するとおもったんやけど」

「げー」

「じつは、その痰ツボ飲んだしたやつがあまりの汚さに吐いてしまってんけどな

その吐いたゲロを食ったやつが優勝してん」

「なんやねんその話ww」



とかいう話をきいててめっちゃ笑ってたんですが

その元ネタを聞いたら

筒井康隆の俗物図鑑でした



あらすじ

一般企業の営業課長の雷門が「接待のプロ」でその愛人の礼子が「贈答品のプロ」

礼子の兄が、出版業で2人に評論本を執筆するように依頼します

すると瞬く間にベストセラーに

ことのほか世間はそういった専門的な評論家に飢えているということから

雷門は、いろんな専門家をあつめて本を執筆させていきます

部下の小口が「口臭評論家」

社長の風巻が「盗聴評論家」

社長の友達の西城が「パーティー評論家」

続々と評論家をスカウトしていきます

月経評論家

覗き評論家

横領評論家

放火評論家

自殺評論家

反吐評論家

性病評論家

麻薬評論家

皮膚病評論家

汚物評論家

カンニング評論家



雷門は、これらの俗物評論家を一か所のマンションに集めて「梁山泊」と銘打って

各々評論家をテレビ局に送り込み

勝手気ままに評論させます



反吐評論家に至っては、人の吐いたゲロを観察して

そのゲロを吐いた人物を特定できます



自殺評論家は、自殺したいがために飛行機に乗るたび

爆弾を抱えて乗り込んだり



放火評論家は、放火するのが三度の飯より好き



汚物評論家は、当時どこにでもあった痰ツボを飲むのが好きだとか

もうむちゃくちゃ

読んでて気分が悪くなりました。



極めつけは皮膚病評論家は、ありとあらゆる皮膚病を自分の体に

植えこんで、体中から膿やただれた皮膚をまき散らします



こんな連中がテレビに出て、好き勝手やるもんで

PTAなど世の中の良識派たちが排斥運動を巻き起こします



梁山泊に、良識派たちが押し寄せてきて

雷門たちは、梁山泊に立てこもります。

そんな中、放火評論家の放火犯を逮捕しに来た刑事を人質にとったことから

警察や機動隊が押し寄せてきます

迎え撃つ、梁山泊の面々は汚物や、皮膚病の菌をまき散らして応戦します

やがて戦いはどんどんエスカレートし

最後は自衛隊まで出てくる始末

はてさて最後はどうなることか



もう50年も昔の小説で、当時の風物が描かれてますが

痰ツボとか知らんでしょうねえ

だいたい水滸伝とか梁山泊ってのも知らんでしょうねえ

興味のある方は読んでみてください















コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする