正体 染井為人
康太郎さんのおすすめもあって、染井為人著「正体」よんでみました
600ページの大作ですが、1週間もかからんくらいに読めました
物語がオムニバス形式になっていてさくさく読めます。
ストーリーから
高校生鏑木が、一家殺人犯として捕まります。
鏑木は当初無実を主張しますが、認められず強引に自供させられ
死刑判決を受けることに。
病気を装い、脱獄することに成功した鏑木。
東京オリンピックで沸く日本のどこかに潜伏します。
まずは、オリンピックの施設工事現場
名前を遠藤と名乗り、工事現場の劣悪な労働環境を少しづつ
改善していきます。
しかし、仲間内から脱獄犯かと怪しまれ現場を去ります
次は、在宅ライター那須として、編集者の安藤と同棲し
身を隠すのですが、安藤の元カレが那須の身元を怪しみ
安藤の元を離れます
冬になり、人里離れたスキー場で住み込みで大学生
袴田として働きます。
そこで、痴漢冤罪で悩む弁護士、渡辺と知りあいます。
しかし民宿での盗難騒ぎをきっかけに、怪しまれその場を去ることに
山形の新興宗教「救心会」の信者として、久間と名乗りパート主婦近野と知り合いま
す
近野は家庭内に悩みを抱えており「救心会」に救いを求めるのですが
その救心会は、実は詐欺グループで信者の個人情報をもとに詐欺をおこない
金に換えていました
近野の同僚、笹原は、鏑木が犯人とされる一家殺人事件の唯一の生き残り、伊尾由子
の姉でした
鏑木は笹原から伊尾由子の居場所を探り当てます
伊尾由子は若年性アルツハイマーを患っており、記憶がはっきりしません
そこで老人ホームに入っています。
鏑木は、桜井と名前と顔を変え、老人ホームの介護士として働きます
桜井は優秀な介護士として認められています。
同僚の酒井舞から慕われるようになりますが、桜井は伊尾由子に接近し
伊尾から自分の無実の証拠を引き出そうとするのですが
記憶があいまいな伊尾では、なかなかうまくいきません。
そんな中、酒井舞は桜井が鏑木ではないかと疑い始めます
そして、警察の手がついに鏑木に襲い掛かります
ここから先はネタバレになるので書きません
が、
ラストは、それってどうなのっていう終わり方をします
エピローグで取返しを図るのですが・・
作者もあとがきで、悩んだと書いてました
終わり方次第で、もう少しよくなったのではないかと思いますが
こういう終わりを作者が選んだというのもうなづける気もします。
冤罪がテーマの作品ですね
冤罪の恐ろしさは想像するに難くないですね
恐ろしい話です