たのしい夢日記

京都奈良寺社巡り・思い出・読んだ本…日々のあれこれを写真と共に。

命日

2008-03-28 00:53:16 | 母の記憶
3月28日に日付が変わった。
今日は母の祥月命日である。


前日からちょっと自分自身も(疲れからか)調子が悪くなって、来てくれた友人の勧めで点滴をしてもらい、また病室に戻って、母に付き添っていた位の時間かと思う。

夜中の病院は静かで、ということはない。
集中治療室で、向かいがすぐナースステーションなのだ。
ナースシューズが行きかう音が聞こえ、おそらくナースコールの音なのか、オルゴールのようなメロディもよく聞こえてくる。

母はもう意識もなく、完全看護でもあり、私にはすることはない。
そばに座って頭を撫でて上げたり…看護師ならぬ私にはそれしかすることはなかったのだ。
母はきれいな人だったが、死の床にあってもやはり整った顔はかわらないものなんだな、と思いながら見ていた。
すこしむくんだせいもあってか、若く見えたくらいだった。

2人きりの病室で、いろいろと意識のない母に語りかけたと言う記憶があるのだが、今となっては何を話したのかもよく覚えていない。

夜中に泣いている私を見て、一人の看護師さんが、私の肩に手を置いて、「娘さんが側にいてくれて、お母さん心強いと思いますよ」と力づけてくれた。
若い人だったけれど、担当の看護師さんのなかでもしっかりとした人だった。

あの時がもう5年も前のことになるのだ。


写真はこの時の病院ではなく、治療のためにしばらく転院していた札幌の病院で、友人が撮ってくれたものである。
以前に書いた入院記録の中に、この時の母の記述がある。
叔母達が来ていたこともあり、嬉しそうに笑っている。
この写真を見て、同居人と2人で、「元気そうだね」と喜んだものだが、それから
亡くなったのはたった2ヶ月後のことだった。

家の飾り棚には母の写真が飾ってあるが、花の好きだった母のため、命日には花を写真の側に置くことにしている。
今年は明るい色のスイートピーを買ってきて活けた。
コメント (4)
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