たのしい夢日記

京都奈良寺社巡り・思い出・読んだ本…日々のあれこれを写真と共に。

新年、日本海へ。成相寺・松尾寺。

2017-01-09 19:00:39 | 西国三十三所観音巡礼
年が明けた。

いつものお正月。

年末、31日に大混雑の黒門市場に出かけ、元日夜に食べるてっちり用の白子入りフグを調達、その他、年越し用の蕎麦、合鴨(雑煮や蕎麦に使ったり、同居人が鴨ローストを作る)蕎麦だけでは到底お腹がいっぱいにはならないので、押し寿司も買っていく。関西風丸もち、白味噌、日本酒、そしてデザートに花びら餅。我が家の定番買い物。

フグをさばいてもらう時間、待ち時間1時間位。その間に人ごみを抜けて店を回る。毎年大変だが、活気がある市場の中の買い物は楽しい。

おせちはらでぃっしゅぼーやのものを毎年買っている。自然な味つけで、調味料も吟味されており、買ったおせちなど美味しくないだろう、という考えをひっくり返してくれた。

31日は「笑ってはいけない」を見つつお蕎麦と寿司の晩御飯の後、これも定番のカウントダウンシャンペンとチーズやイチジク、クラッカーなんかで新年を迎えた。

元日は同居人が白味噌雑煮を作ってくれ、おせちを開ける。これは明日の夜のごはんにとっておこう、これは食べちゃったほうが…と相談しつつ。無論ここでお酒が入るので、後はテレビ見たりしながらのんびり家で過ごした。

夜は恒例のてっちり、てっさと湯引きもお店で作ってくれてある。ほんとに、骨以外全部食べてしまえるのがフグ。今年のフグは当たりが良かったのか、とりわけ美味しかった。
ぽん酢消費量速いこと!


さて、2日。去年は同居人の車で奈良の岡寺、飛鳥寺に初詣だった。

今年は、去年の11月から西国三十三所に挑戦しているので、そのうちのどこかまで車を出してもらうことに。

休み中日で次の日の事も心配がないから、遠出ができる。和歌山のお寺?琵琶湖の島のお寺?


「京都の宮津なら2時間位で行けるな。それからこの松尾寺、というのも狙える」

「まっぷる」が出している「西国三十三所めぐり」というガイドブックの地図を見ていた同居人が言う。出発が9時と遅いから、そのあたりが良いね、と言う事に。


途中の道の駅でランチを買っていく。

京丹波「味夢の里」という名前の大きなところ。以前、「鉄腕DASH」の「0円食堂」でTOKIOが来ていた所。あれこれ面白い物があって目移りする。卵焼きで巻いたう巻き、この地方名物という、魚のでんぶが入ったちらしずし、押し寿司などお弁当を選ぶ。でんぶのちらしはちょっと甘すぎたが、他の二つは美味。

まずは宮津市の成相寺。

宮津と言えば、むろん、「天橋立」。この傍にあるお寺だ。しかし、大抵の人が訪れる「股のぞき」スポットのある場所ではなく、丹後半島の方、天橋立の北側へ行くのだ。ここは西国三十三所の最北端なのである。

本来のお詣りは、南側から船に乗って渡る、というものだそうだ。天橋立を横に見つつ行くのだとか。その方が味があるかもしれないが、我々はクルマでささっと廻っていく。それにしても狭い道、急こう配の道でびっくり。



参道の石段はこんな感じ!



倒れていた鹿の肉を、いけないと思いつつ食べてしまった僧がおり、じつはその鹿は観音様だったという謂れがあるらしい。しかも美人観音とも呼ばれているご本尊、しっかり拝んでおく。祈願しているのはそのポイントではないが…

さすがに人里離れたお寺、外国人観光客は皆無である。参拝の人々も少ない。ご朱印もすぐに頂ける。

「上、上がってみよう」

天橋立が見える展望台があるのだ。なんと、「日本一のパノラマ展望台」とある。この山中に!








日本海に浮かぶ島は霞んでいるが、天橋立は良く見える! こんなに晴れ晴れしたよい景色が見られるお寺とは知らなかった。昔は展望台近くに本堂があったらしい。お坊さんたちは、歩いて上り下りしたんだろうな。昔の人々は足腰丈夫だったはず。


寺院というのはたいてい、4時半位がクローズ。もう、2時過ぎである。次のお寺、松尾寺は舞鶴にある。同じ京都府だが、車で1時間以上はかかるはず、名残惜しいが出発することにする。

さて、次のお寺は舞鶴市の松尾寺。「まつのおでら」が正しい名前のようだ。もし徒歩で「松尾寺駅」から行くと山道を2時間(>_<)という場所! もともとは修験道のお寺だそうだから当然だろうが。

以前教えていた生徒さんから、「西国三十三所は健康に良い」と言われたが、はい、その通りでしょう。




ここも車一台しか通れない細道をどんどん登るタイプ、登りきるとなかなか風雅な山門に、お正月らしくしめ飾りが。






変わった屋根の造りで相当古いが、方形造りというらしい。指定文化財だそうだ。

また、三十三所で唯一、観音様らしくなく怖いお顔の馬頭観音様をお祀りしている。秘仏で77年に一度しか開帳されていないそう。

ここもひと気がない。三十三所のご朱印貰う人くらいしかこないのだろう。

巨大な松や、杉の木が境内のあちこちに。







軒下に雪も残っている。渡り廊下の下には、北海道でよく見る(実家にもあった)家庭用の雪かきの機械、耕運機みたいのが置いてある。舞鶴だしなあ。雪も多いだろう。


巨大な杉の木の脇には、「・・・羽天皇御手植」とかすれて読めない碑が。

・・・何天皇?羽で終わる名前? 思い出せず。

例によって蝋燭とお線香を供え、お詣り。もうお片付けも始まっていて、係の方が賽銭箱を開けたり蝋燭かすを掃除したりしながら話しかけてくる。


「このお寺手をかけてなくてね」・・・確かに古い。石段も崩れてるとこがある。

「大きな木がありますね」

「向こうの杉の木は鳥羽天皇の時代のものですよ」


・・・あっ、鳥「羽」天皇か!

平家物語でお馴染みなのに、思いつかなかった。

「鳥羽天皇は色々思い悩むことが多くて、お気に入りの美福門院と一緒にお詣りに来られたと言われてます」

そう、中宮の待賢門院が生んだ子がおじい様の白河上皇の子供だったから・・・というのは有名な話。係の方もそのお話をされる。

いやいや、平安末期の天皇の「御手植」は初めて見たわ。

昭和天皇や最近の宮様、皇太子殿下等の「御手植」はあちこちの寺院で見るけれど。

すこしずつ暗くなりつつある細道を戻り、帰阪。
なかなか、面白いお詣りだった。

今週は日本海側では大雪になるそうだ。 あの松尾寺も雪に降りこめられてしまうのだろうか。

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