日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

ドイツ映画「ブリキの太鼓(Die Blechtrommel)」を公開以来久々に観てきました(2022.12.7)@ユーロスペース

2022年12月12日 | ドイツ語・独検

ドイツ映画「ブリキの太鼓」を公開以来久々に観てきました(2022.12.7)@ユーロスペース

 

現役日蓺生による映画祭「領土と戦争」で 渋谷のユーロスペースにドイツ映画「ブリキの太鼓」(Die Blechtrommel)を観に行きました 1979年の公開当時に観て以来久々です🎥

ほんとは「カティンの森」(2007年ポーランド映画)にしようかと思ったけど せっかくの結婚記念日なんだし...と ドイツ映画にしました🎥 それぞれ独身時代に観ていますが一緒に観るのは初めてです

 

ノーベル文学賞受賞作家ギュンター・グラス原作 ニュー・ジャーマン・シネマのフォルカー・シュレーンドルフ監督の代表作

ダンツィヒ(現ポーランドのグダニスク)で 3歳の誕生日にブリキの太鼓を贈られた少年オスカルは 大人の姿に幻滅して自ら成長を止めてしまう

ナチスに支配された都市で 子供のままでい続けるオスカルは やがて孤児同然となり放浪のあげく... 

10代の頃に観た映画を40年ぶりに再び観ると 背景もわかり違う視点から観られるし 登場人物のイタリア語も 今なら全部わかっておトク(笑) 

    *      *      *

以下は ネタばれです:

オスカルの祖母アンナカシュバイ人(ポーランドの現地の民族)で 4枚のスカートを履いてじゃがいも畑で芋を焼いていたら 放火常習犯の男が逃げてきて スカートの下にかくまい その時にできた娘アグネスと3人で暮らすが 男は失踪

アンナの娘アグネス(アンゲラ・ヴィンクラー)は いとこであるポーランド人のヤン(有名なポーランドの名優ダニエル・オブリフスキ)と ドイツ人アルフレートの どちらの子だかわからない息子オスカルを産む

オスカルは3歳の誕生日に 大人の姿に幻滅して地下室に自ら落ちて成長を止めてしまい...  母親アグネスは ポーランド人専用郵便局で働くヤンと密会を続け 彼の子を宿しながら 海岸に打ち上げられた馬の頭から出てきた大量のウナギを見て吐くも それを料理して食べろと強要する夫と争い やがて生魚を喰らい続ける過食症になり 自殺してしまう  

やがて若い娘マリアが住み込みで入るが 父親との間にクルト(オスカルは自分の子と信じている)が生まれ 新たな家族が形成され オスカルのマリアへの切ない初恋はひどい仕打ちで泡のように消える

戦争が近づき 1939年9月1日 ポーランドの第二次世界大戦参戦のその日に起きた歴史的事件である グダニスク郵便局襲撃事件が描かれる

ここで働いていた小心者のヤンは 自ら志願したのではなく 行きがかり上銃を持つことになるが処刑 オスカルの父親もオスカルのわがままのために 後日戦争で亡くなる

オスカルは サーカスで知り合った小人たちの一座に再会し 今やナチスの軍服を着た一行に加わり 同じく小人のロスヴィータと恋に落ちるが 戦火であっというまに命が消える なんとあっけない...  

初恋のマリアの息子クルトの3歳の誕生日に 21才となった(体は3歳のままの)オスカルは ブリキの太鼓をプレゼントする

そして 父親アルフレートの埋葬の時に自らブリキの太鼓を墓に投げ捨て 息子の放った石に打たれ墓に落ち 怪我を負うも再びオスカルは成長を始める...  

最後は 祖国を離れられない祖母アンナは祖国カシュバイにひとり残り マリアと息子と3人で西に向かう列車に乗る...

 

グダニスクは自由都市で 当時の東プロイセンの飛び地のひとつ ドイツ人もポーランド人もユダヤ人も住んでいた その共存が戦争で壊されてゆき...

父親アルフレートはドイツ人だが ヒトラーの絵を壁に飾りナチスに入党するも 終戦間際になってその絵を燃やして 元のヴェートーベンの絵にかけ替える日和見的な男だった 

実は原作者のノーベル文学賞受賞作家ギュンター・グラス(自らもカシュバイ人) 2006年に 若い頃武装親衛隊に入っていたという告白により大きなスキャンダルが巻き起こった 私も当時ドイツ語学校に通っておりずいぶん騒がれた記憶がある  

この映画には ブリキの太鼓をいつも買いに行く(そのタイミングでヤンと密会していた)おもちゃ屋マルクスユダヤ人で のちにクリスタル・ナハトのユダヤ人狩りで行き場を失い服毒自殺する以外は ユダヤ人や強制収用所は出てこないが 実はディレクターズ・カット版では ユダヤ人にまつわるエピソードがあったがカットされていたことを解説で知った 

父親の店の土地はもとユダヤ人のもので 立ち退かされたユダヤ人が 戦後その土地に戻ろうと父親のもとに現れるというエピソードで ぜひディレクターズ・カット版も観てみたいと思った 

 

 

 徳島のリーベフラウのお取り寄せの 無添加のアイスバイン グーラッシュ

 

 ボルシチ白ソーセージ(Weißwurst)

 

 ドレスナーシュトレン(Dresdnerstollen) オールドパー

 

 


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