某米卸と、この頃のお米の売れ行きなどの話をしていて、「そういえば、ゆめぴりかが売れていないっていう情報は入っていますか」って質問されて、びっくりした。
自分が販売している「ゆめぴりか」は、JA新すながわの「極低タンパク6.3%高度クリーン栽培ゆめぴりか」「極低タンパク6.3%ゆめぴりか」「低タンパク6.8%高度クリーン栽培ゆめぴりか」「低タンパク6.8%ゆめぴりか」の4タイプ。
販売は極めて順調なので、売れていないという意識は微塵もない。
なので、「自分の店は、全くダメージは受けていないけど、何処のルートが売れていないの?」「ホクレン?農協?個人販売?」と聞いたら、「個人販売」という回答が返ってきた。
その回答をきいて、「そりゃそうだろ」と納得してしまった。
ネットや安売り店で販売されている「ゆめぴりか」を買った消費者から、品質と味について、かなり多くのクレームがあると聞いていてからである。
自分が知っているクレームとしては、「ゆめぴりかなのに硬い」「時間が経つと粘りと味がなくなる」「保温すると黄ばむ」「コシヒカリよりも粘らない」「米粒が小さい」などで、低アミロース米の「ゆめぴりか」とは思えない、クレーム内容ばかり。
消費地には日本中のお米が集まっていて、何時でも好きな産地と品種を買うことが出来る。
なので、わざわざ「不味い」と思ったお米を、買い続ける消費者はいない。
だからこそ、「ゆめぴりか」が誕生したときから、「ブランド米としての価値が無くなる前に、低品質米が流通しないように流通基準作って、北海道全体で品質の安定を強化しろ」と、言い続けていた。
でも、それをしなかったのは北海道。
そして、ついに、ブランド米としての限界が見えてきてしまった。
どんなに地域として、高品質・良食味の「ゆめぴりか」を栽培して販売していても、周りが低品質の「ゆめぴりか」を平気で販売しているようであるのなら、結局は悪いイメージに巻き込まれてしまう。
巻き込まれてしまったら最後、抜け出す事は出来ないだろう。
なぜなら、北海道米は、完全なブランド米に、まだなっていないからである。