昨日午後一番で、福井県庁と、今年秋デビューの「いちほまれ」についての打ち合わせをしていた。
もう6月に入ったことから、そろそろ新米の計画を立て始めるのだが、山形県「雪若丸」・宮城県「だて正夢」・富山県「富富富」という、今秋デビューの新品種の販売戦略などが見えていない、伝わって来ない事から、本来なら目玉となるはずの品新種について、マスメディアは話題にすることが出来ないでいる。
そうなってしまうと、食味ランキングで魚沼が「特A」から「A」に落ちてしまった事が、どうしても話題となっしまう。
その上で、「ブランドは・・・」という内容で話題作りをしようとすると、当然、魚沼との比較できる品種や産地が必要となってくる。
その話題に付いて来られる産地と品種というと、福井県から今秋にデビューする「いちほまれ」だけとなってしまう。
なので、「いちほまれ」のデビューは、失敗が許されない状況となってしまった。
どの産地もCMは流しているので、「いちほまれ」もCMはする。
各地でのイベントなども、当然繰り返し行う。
でも、それだけでは、他の産地との違いは無いので、消費者もマスメディアも喜ばない。
「コシヒカリ」を超える新品種として、「コシヒカリ」を生み出した福井県が出してくる「ポスト・コシヒカリ」が「いちほまれ」。
それだけの新品種を、他の産地の新品種と同じ戦略で展開させてしまったら、「いちほまれ」の価値は無くなってしまうし、「いちほまれ」は「コシヒカリ」を超えていく事が出来なくなってしまう。
山形県「つや姫」・北海道「ゆめぴりか」が出来なかった事、他の産地が出来なかった事、他の新品種が出来なかった事をしていくのが、「いちほまれ」の宿命。
であれば、「いちほまれ」のブランド化戦略は、言わなくても見えてくる。
「いちほまれ」は生産者のためのものでは無く、美味しさ・特徴・安心・安全を求める消費者のためのもの。
なので、「俺に作らせろ、、俺の米が一番うまい、自由に売らせろ」というレベルの生産者に任せる事は出来ない。
福井県の将来を考える地域と生産者、担い手のために「いちほまれ」を残そうと考える地域と生産者、日本のお米の将来を考える地域と生産者に任せるのが当たり前である。
なので、栽培基準も厳しいし、生育管理も、各産地が泣き言をいう程に厳しい。
さらに、稲刈時期、乾燥レベル、品質管理も、今までの新品種の中では、一番厳しい。
福井県庁と産地・生産者とは、毎日のように話し合いは続いてるようであるが、なかなか県の考えは伝わらないようである。
だからと言って、産地や生産者の都合を、いちいち認めてしまっていては、「いちほまれ」は「コシヒカリ」を超えられないだけでなく、存在する理由も無くなってしまう。
ブランド米として、頂点に立ちたいと思うのであれば、今までの自分中心の考え方は、一切捨てるべきである。
消費者が選ぶお米とは。
消費者が食べ続けてくれるお米とは。
「いちほまれ」を栽培する権利を与えられている生産者は、その重要性を、もっともっと真剣に考えるべきだ。