私が中津に住むようになってもう26年になりますが、佐伯祐三の出生の地がこの中津であることは、長い間知りませんでした。
佐伯祐三は、明治31年(1898年)生まれ。
東京美術学校を卒業後、めざす絵画を求めて渡仏。
パリの街角を、彼独特の激しいタッチで描きました。
けれども、2度目の渡仏中、1928年に30歳の若さで客死。
有り余る才能を惜しまれつつ逝った、まさに“夭折の画家”でした。
彼の激しい筆致は、彼の、絵に対する真摯で激しい情熱の現われだと私は思います。
彼は、私の大好きな日本画家の一人です。
彼の実家が中津のお寺であることを数年前には知りましたが、ずぼらな私はその所在を確かめることもなくうち過ごしていました。
そしてごく最近、太極拳の仲間に聞いてみると、なんとそのお寺は、私のマンションからほど近い「光徳寺」というお寺であることが分かりました。
今日は、散歩の途中で、その光徳寺に立ち寄ってみました。
光徳寺は今もお寺として存続しているだけではなく、「中津学園」として、障害を持っておられる方々に、生活&学びの場を提供しておられます。
門扉には、「佐伯」の表札も掲げられています。
門を開けて中に入ると、ほどなく彼の記念碑が立っていました。
光徳寺を後にして、私はいつもの散歩コース(中津公園とその周辺)を、いつもの花や、色づいていく木々などを眺めながら、しばらく歩きました。