日曜日(18日)の朝、水やりをしようとベランダに出ると、蝶なのか蛾なのかよく分からないのが、壁面に止まっているの
を見つけた。
決して美しいとは言えないけれど、ベランダの壁にこんな虫が止まっているのは珍しい。
私はカメラを取ってきて、飛ぼうともしないその虫を撮っておいた。
序でに(珍しくも何ともないけれど)ゼラニュウムの赤が綺麗だったので、撮っておいた。
(後でgoogleレンズで調べてみたら、どうも<キタテハ>という蝶みたい…もっと綺麗な蝶だったらより嬉しかったのに。)
日曜日の朝、私が恒例で見るテレビ番組は、「さわやか自然百景」と「日曜美術館」。
この日は何か緊急の放送があって、「さわやか自然百景」は確か中止になった。
「日曜美術館」の方ははいつものようにあって、この日は東京で行われる美術展に合わせて、<マティス>が取り上げ
られていた。
マティスの絵はファンも多く、私も大好きな画家の一人だ。
そしてマティスについては、このブログでも何回か書いてきたような気がするけれど、この日の「日曜美術館」では、マティ
スの作品を見ながらとっても幸せな気分にさせてもらったので、もう一度書いておきたいと思った。
アンリ・マティス(1869~1954)は、フランスの画家。
いろいろな変遷をくぐりながらも、85歳まで画家としての生涯を全うされた。
赤や青などを基調とした鮮やかな色彩、ときに写実とはほど遠いかに見える造形も、実はモノの本質を的確に、躍動的
に捉えていて、お見事!と言うしかない感じがする。
そしてマティスの絵を見ていると、ある場合その強烈とも言える色彩にも拘わらず、何故か穏やかで幸せな気持ちになっ
てくる。
その訳を考えていると、番組で紹介された、次のような言葉を聞いて、深く頷かされた。
「すべての人の心を癒す よい肘掛け椅子のような芸術」
ホントにそのとおりだと思った。
だから私たちがマティスの絵を見ると、心が幸せに満ち、穏やかになるのだと思う。
しかしそんなマティスにも、当然ながら、いろんな困難との闘いがあった。
その一つが戦争。
第一次世界大戦で、彼の祖国・フランスも戦争に巻き込まれる。
パリに進軍するドイツの兵隊たち
この当時のマティスの心境をよく物語る絵がある。
1914年に描かれた、「コリウールのフランス窓」。
上にも挙げた、1904年に描かれた同じ窓の絵では、窓は開放的に開け放たれているのに、下の絵では完全に閉ざさ
れ、しかも中心は黒く塗りつぶされている。
しかし彼は、戦争の悲惨さにも心を折らさず、自らの創作を続けていかれる。
第二次世界大戦さなかに描かれた「マグノリアのある静物」の頃、彼は下のように語られている。
「生き延びて、自分流にやれるようになった。」
苦しい状況のなかでも、自分流の芸術のあり方を探求し、自分のものにきるなんて、なんと素晴らしいことだろうと思う。
大胆な絵ばかりだと思っていました・・・
Matisse マチス The Red Studio @MoMA (1) MoMAキュレーターによる渾身の企画
https://blog.goo.ne.jp/onscreen/e/78d79cc28f573ecf0328571d83a336f6
この絵に隠されたベネチアン・レッドの「重大秘密」を紐解いている展示(汗)