翌23日は、初めの予定では朝8時発のバスで広島に向かう予定だった。
でも、前日のバスの遅れで、それ以後の予定が慌ただしかったことと、夜が遅くなったことで、出発を2時間遅らすことにした。
そこで、起床を7時にし、ホテルでゆっくり朝食をとった。
下の写真は、今回初めて泊まったホテルの部屋と、朝食のバイキング。
前日から気付いていたが、宿泊客の中に何故か外国の方が多く、朝の食堂にも彼らの姿があった。
10時、今度は石見交通のバスで(前日は広島電鉄のバスだった)広島に向けて出発した。
車窓には、いろんな花や木々、川や山など、写真に撮りたい風景がいっぱい見えたけれど、如何せん、揺れるバスから写真を撮るのは至難の業だ。
そこで私は、頭の中にこれらの風景をしっかり記憶することにして、写真を撮るのは諦めた。
(ただ1枚、風景としては何て事ないけど、山と川が写っている写真があったので、載せておきます。)
帰りのバスは、予定どおり、午後1時に広島駅に到着した。
今回私は、広島でぜひ行きたい所があった。
なので、広島でゆっくりできるように、帰阪の新幹線も、かなり遅い時間の切符を取っていた。
でもその事はあとで書くとして、広島に来たからには、やっぱり「広島焼き」を食べねばならぬ!
私は駅ビルの中にあるお好み焼き屋さんで、ミニの広島焼きに牡蠣2個をトッピングしてもらった。
とっても美味しかったヨ!
腹ごしらえを済ませた私は、(上に書いた)前々からぜひ行きたい!と熱望していた“憬れの場所”に向かって、歩き始めた。
“憧れの場所”‥‥それは、テレビ番組で知った、≪純音楽喫茶・ムシカ≫
(これについては、以前のブログに書いている。)
原爆で壊滅状態になった広島の復興を願う当時の先進的な若者たちが、集まり、熱い議論を戦わした場所。
ベートーヴェンのデスマスクが見守る≪ムシカ≫の店内で、クラシック音楽を聴きながら、彼らは復興について語り明かした。
そしてその中から、広島復興の道が切り拓かれたのだ。
その≪ムシカ≫が、今でも、当時のオーナーの息子さんによって受け継がれている、とテレビは伝えていた。
それを知った時から、私は、ぜひ一度≪ムシカ≫に行きたい!と思うようになった。
実際に≪ムシカ≫に身を置き、コーヒーを飲みクラシック音楽を聴きながら、当時の若者たちの熱い想いを感じとりたいと思った。
ひょんなことから、今回広島で乗り換えることになって、≪ムシカ≫に行く絶好の機会が訪れたのだ。
私は胸を高鳴らして、ムシカに向かった。
ムシカは、テレビで見たのと全く同じたたずまいで、そこにあった。
私がドアを開けると、これもテレビでよく顔を見知った男性が、笑顔で私を迎えてくださった。
(インターネットでムシカを検索し、事前に電話して、その日の私の訪問を伝えてあったから。)
ただちょっと手違いがあって、その日喫茶室では演奏会の練習が行われていて、喫茶室でコーヒーを戴くことはかなわなかった。
本来だったら、そんな日は、全てお客さんはシャットアウトされるのだそうだが、私が電話していたことで、特別にカウンターでコーヒーを戴くことができ
た。
ベートーヴェンの顔を印刷した、憬れのコーヒーカップで!
そしてこれも特別に、演奏会の練習をされている喫茶室に入って、壁に掛けられたベートーヴェンのデスマスクを撮影するのを、許可してくださった。
当初の私の夢とはちょっと違った形にはなったけれど、ムシカに身を置きコーヒーををいただき、アレコレ語り合うことができて、幸せな時間を過ごすこと
ができた。
満ち足りた気持ちでムシカを後にした私は、その後どこに行くかちょっと迷ったが、まだ行ったことのない広島城の天守閣に登って、広島の街を見渡
してみようと考えた。
お城の中に入り、階段を昇って天守閣の最上階に向かう。
各階にはいろんな展示品が置かれていたが、私は、剣や兜などには余り興味が湧かない。
そんな中で、私の目を引いた展示品を一つだけ。
やっと最上階に到着!そこからの眺め。
(ブログに書いた)“ガタロさん”が清掃作業をしておられ、この間はテレビドラマの舞台にもなった≪基町アパート≫が、お濠のすぐ向こうに、堂々と
した姿で建っていた。
(実は可能ならガタロさんにもお会いしたいと、パソコンで検索してみたが、ガタロさんは本名を明かしておられないのだそうだ。さもありなん!)
距離があるのと逆光のため、ウッスラとしか見えないけれど、原爆ドームも一応見ることができた。
(次に、最上階から撮った写真を何枚か、ランダムに載せさせていただきます。)
お城の建物から出て、城内の敷地を歩く。
そこでは、古い石と木々の姿が印象的だった。
広島城を後にした私は、≪縮景園≫に行くことにした。
私は、縮景園にも、行ったことがなかった。
当初は、久しぶりに「平和公園」に行ってみようか、などとも考えていたが、その日は太陽がギラッギラッに照りつける上天気すぎる一日だった。
歩いている途中で見たマンションや法務局関係の建物は、太陽の光を受けて生き生きと輝いているようだった。
建物はそれでいいけれど、私の方は、それまで歩いただけで、体力をかなり消耗していた。
なので、平和公園などは諦めて、歩く距離が比較的短い≪縮景園≫にしたのだった。
縮景園は、大きな池を中心にしたお庭だ。
池にはとびっきり大きな鯉が、元気よく泳いでいた。
池を楽しむ人々の姿。
池の周りには、モミジの木がたくさん植えられている。
今は緑だが、秋になれば美しく紅葉して、一段と見応えのある景色になることだろう。
でも緑は緑で、捨てがたいけれど。
縮景園でも、やっぱり萩の花が咲いていた。
赤いのも、白いのも。
夕方の太陽が池に影を映す頃、私は縮景園を後にして、広島駅に向かった。