今年も奈良・興福寺で、「興福寺国宝特別公開」が行われている。 <阿修羅~天平乾漆群像展>と題して。
以前にも書いたような気がするけれど、私は中学生の頃から<阿修羅>の大ファンだ。
あの、憂いを含んだ少年の顔。 その憂いは、崇高なものを求めるがゆえに生まれるもののような気がする。
崇高なるものは、いまだ阿修羅にはつかみ切れていない。 でも阿修羅は求め続ける。
少年だけが持ちうるそんな純粋さ・清らかさ故に、私は阿修羅にあこがれ続けているような気もする。
昨日(11日)、私は1年ぶりに阿修羅に対面するために、奈良に向かった。
近鉄奈良駅に着くと、先ずは「猿沢の池」に足を向けた。
猿沢の池からは、興福寺の「五重塔」と「南円堂」が望める。
池では、鳩やカモが憩っていた。
~五重塔~ ~南円堂~
~南円堂のアップ~
~クスノキの新緑と塔~ ~南円堂の更なるアップ~
<阿修羅~天平乾漆群像展>は、今年は、改修中の国宝館の代わって、「仮講堂」で行われていた。
仮講堂の前には、修学旅行中の女子高校生ほか、多くの人たちが長い列を作っていた。
私も列の後ろについて、仮講堂に入った。
仮講堂の中には、中央に阿弥陀如来像、その周りを取り巻くように、阿修羅を初めとする「八部衆像」・「十大弟子像」・「金剛
力士像」・「四天王像」などが安置されていた。
その中で私の目は、やっぱり阿修羅像に惹きつけられた。
でも残念だったのは、昨日私はオペラグラスを持っていくのを忘れていたのだ。
仮講堂の中は、仏像保護のため照明は暗くしてあり、仏像たちとの距離も少しある。
オペラグラスの無い私の目では、せっかくの阿修羅像の細部を見ることはできなかった。
それでも私は目を凝らして、仏像たちを見つめた。
細部は見えづらかったけれど、「八部衆像」の中で、子どもの顔をした<阿修羅像>・<さから像>・<五部浄像>などは、愛し
ささえ感じさせる、可愛く素敵な仏像だった。
仮講堂を出た私は、もう一つの展示場の「東金堂」に向かった。
(次は、東金堂入り口。)
東金堂にも、巨大な薬師如来を初めとしていろんな仏像が安置され、堂内は荘厳な雰囲気に包まれていた。
若い頃は、仏像には(阿修羅像は別にして)ほとんど興味を持てなかった私だが、今は仏像を前にすると、やはり心が鎮まる
のを感じる。
これも、歳を取ったせいかしら?
興福寺の境内には、そこここに外国の若者の姿もあった。
興福寺を後にした私は、「飛火野」を通って、昼食場所に向かうことにした。
飛火野に着く前に「奈良国立博物館」の前を通るが、博物館のレトロな感じの装飾には、いつも心を惹かれてしまう。
飛火野、到着!
次からは、静かで心が落ち着く、「飛火野」の情景。
~飛火野の大クス~
昼食は、いつもの「春日荷(カスガ・ニナイ)茶屋」の、お粥定食にした。
荷茶屋は、建物の中でも外で食事できるようになっている。
そして茶屋の周りは、モミジの新緑で覆われていた。