畠山義綱のきままな能登ブログ

畠山義綱が見てきた史跡を紹介します。
時々、経済や政治などもつぶやきます。

八王子城再々訪 其の2

2012-11-27 04:44:00 | 歴史
八王子城再々訪の巻其の2です。

前回まで。八王子郷土資料館で「八王子城の特別展」を見てきました。



上の写真が2008(平成20)年8月当時の八王子城駐車場の様子です。舗装もされていない砂利の駐車場でしたが、今までは城に訪問するのも路上駐車だったことを考えると格段に進歩しました。



 これが2012(平成24)年11月現在の八王子城駐車場の様子です。きれいに舗装されています。しかも駐車場が満車に近い状態…すごいですね。ガイダンス施設がオープンして1ヶ月経ったというのにこの人気。



 ガイダンス施設の前には「北条陸奥守氏照」や「武州八王子城」の幟が。雰囲気を盛り立てていますね。私「近藤出羽守綱秀」って知らない…まだまだ勉強不足だ。



 「国史跡八王子城跡ガイダンス施設」立派な看板が立っています。うしろの建物は八王子城のネーミングにあわせて八角形で建物をあしらったそうな。


ではいざ入館!


 館内はかなり見学者がいました。駐車場も入館料も無料だし、そりゃ人気でますな。オレンジ色の人は「八王子城ガイドボランティア」で八王子城跡の管理棟から御主殿までを無料でガイドするそうです。ガイドボランティアも増員されたらしく、ずいぶんガイドを連れて歩く人が見受けられます。自分も時間があったらガイドボランティアを楽しもうと思うのですが、今回は昼までに戻る約束の一人旅なので無念…。



 館内の配置はこんな感じ。意外と展示スペースが狭い。それはこの施設が「展示機能と休憩・レクチャー機能」の2スペースに分かれているため。学習会などの利用も想定されており、レクチャースペースは72名分の席が確保されているようです。



展示テーマはやはり「北条氏照と八王子城」。

そのための事前知識として北条氏の歴史についてもパネルで簡単に勉強できます。

氏照から上杉謙信への贈答品礼状や兄氏政の文書などもパネルに掲載されており、結構勉強になります。

 八王子城の御主殿の発掘調査のパネルです。何やら「八王子城の特別展」と内容がかぶりますが、それもその筈。特別展は期間が終われば展示終了。そのため、発掘調査を恒常的に訪問者に伝えるためにはここで解説するのが適切なわけです。解説にこの2棟の建物は同時期に存在したと書いてあります。まさに氏照の主要な館として使われていたんでしょうね。一方で、全体としてはこの館の使用期間が短いことも調査でわかったそうです。

 これは会所の発掘調査時の様子です。きれいに礎石がならんでいますね。左側には石敷き通路も見えます。会所は来客用ですからきれいな石敷き道路で出迎えたことでしょうね。

 会所の右側にあるのが、この庭園です。石の曲線で囲まれていることに加え大きな石が点々としていることからも、一乗谷の庭園と共通点が見られるところです。庭園は全部が発掘調査されたわけではないようで、全容がわかるともっといいのに…と思います。八王子城の存続期間もそれほど長いわけではないので、落城よりちょっと前に建てられてそのあと豊臣によって落城されたとみるべきでしょうかね?それにしてもどんな建物が建っていたんでしょうね…。

 これだけ詳細に発掘調査が行われていることにワクワクしますが、それでも御主殿の発掘調査はまだ半分ほどしかしていないので、今後調査もされればいいなと思います。



 氏照が八王子城の前に居城していた滝山城との比較もあり、なぜ移り住むようになったのかもわかるようにしてあるなど、無料のガイダンス施設としては充実しています。



 小学生がゲーム感覚で遊べるパネルゲームもあります。クリアして八王子城の様子をつかむシステムになっていますが、そのためにプレーヤーは豊臣秀吉の忍者となって八王子城の構造を暴きます。地元の私としては北条を裏切るような気持ちになりました(笑)



 ガイダンス施設にある八王子城の立体模型です。ちょっと見ずらいですよね。これは色をCGグラフィックで投影しているんです。これは現在の八王子城跡の様子です。真ん中よりちょっと右下にあるの土がむき出しになっているスペースが御主殿跡です。これが戦国時代はどうだったかと言うと…

 これが往年の八王子城です。印象がガラッと変わりますね。まずは土がむき出しのところが格段に増えました。山城は敵が隠れるような木は当然伐採しますからこのような山全体がはげ山になっていたんですね。現在浜松城や小田原城の復元にあたって景観を確保するために木が伐採される話がでていますが、一方で自然を守る団体が伐採に反対していると聞きました。自然は他のところでも賄えます。ここは文化遺産だということを考えると史跡の一部くらい往年のように木を伐採したっていいじゃないか…と私は思います。歴史に対するロマンのちがいですかね?まあ日常的に生活している地元の人の立場からすれば、自然の確保という意見も当然なのですが…(笑)
 そういえば、これだけはげ山になると当然斜面の土砂が雨などで崩落する危険があるはずで、そういう観点から石垣が誕生したんだな…と思うとこういうCGにおける立体模型もいいなあって思ったりします。



さて、いよいよガイダンス施設の最後。八王子城に関するVTRです。

おお!これはもしや御主殿の復元CGでは!すごいこんな建物があったのかあ!ああ立体復元してもらいたいな…。

滝山城と八王子城は近い位置にありますね。移転の理由は高低差だそうな。滝山城は160m級の低い山だったようで、より防御性を高めるための移転だったようです。

八王子城に今回で来たのは3回目ですが、いつも御主殿までしかいったことないので、今度は要害部にも上がってみようかな…。

やはりはげ山の崩落防止としてこのような石垣を築いていたんですね。


 さて、八王子城のすぐ近くまで来たんだから、今回も御主殿だけ登って10分くらいで帰ろうか…。そう思っていたが、予想外の嬉しい出来事が!!

次回こうご期待!八王子城再々訪其の3へ続く。