畠山義綱のきままな能登ブログ

畠山義綱が見てきた史跡を紹介します。
時々、経済や政治などもつぶやきます。

宇都宮へ日帰りの旅(前編)

2009-08-11 18:31:00 | 歴史
 2007年に福井県の朝倉氏一乗谷史跡に行って以来、発掘調査などにはまっている。それが講じていろいろな復元中世史跡に行っている。今回は飛山城へ行ってきました。その他に栃木県の史跡を少し回ったのでご紹介します。

 飛山城はJR宇都宮駅からおよそ10kmくらい離れた宇都宮市竹下町にある。もちろん私の移動手段は車。愛車のスターレット「能登号」である。電車でも旅は楽しいのだが、地方に行くと移動手段が限られるので(バスの本数・路線が少ない)、車のほうが断然史跡めぐりはしやすい。

 

 国指定史跡の飛山城は、13世紀末に芳賀氏によって築城されたと伝えられる中世史跡である。下野を代表する大名である宇都宮氏の重臣である芳賀氏の居城ということで、かなりの重要拠点だったことは想像に難くない。
 1992年から史跡整備のための発掘調査が行われ、2005年に史跡公園として公開された。史跡公園への道も整備されたようで、すごく走りやすい。飛山城に向かうとまず出迎えてくれるのが「とびやま歴史体験館」(休館日は月曜日(但と祝日の翌日。開館時間は午前9時から午後5時まで)である。無料で広い駐車場に車を置いて、いざ館内へ。しかし、現地についた時間が8時半過ぎだったので、館内には入れず、先に史跡公園の探訪へ。


 飛山城に入城するためには、まずは空掘・土塁と復元木橋が出迎えてくれる。空堀にかかる木橋は発掘調査でこの場所にあったために復元されたもの。正攻法で入城するにはこのルートだが、飛山城に入城する裏ルートもある。


 むう。正攻法で入るより楽しそう。興味が引かれる。ただ、台風9号の接近で雨が降っており、コケたら大変だ…。どれくらいの角度だろうか。


 うわ、結構高い。でもせっかく貴重な体験。いっちょ行ってみるか。
うむむむ・・・。はぁはぁ。ふぅ。

 おお土塁の頂上だ。土塁登り体験は晴れた日にぜひ家族連れで。一人で行っても写真を撮っても絵になりませんね。ともあれ、飛山城に入城しましょう。


 木橋を渡って進むんでもすぐには郭には入れない。飛山城は城なわけで防衛拠点として、敵の侵入をすぐには許さないために枡形があった。

 復元された箇所や城内の防衛拠点には、このように説明板があり発掘調査の説明とともに、城の構造の説明なども学習できるようになっている。


 枡形を通ると、次は復元された門がある。ん?私がイメージする中世の門とイメージが違う。冠木門が普通なのでは?

 と思っていたら、門の説明板に中世の門は3種類あり、発掘調査からこの中の塀重門と推定したとあった。この図をみると、塀重門は他の2種類の門に比べて門柱が細いのが特徴かな?だから塀重門にしたのかな?と納得。ちなみに塀重門にすると日常で入城するときに槍を倒さなくてもよいという利点があると説明している。が、戦時の時にはその利点が不利になるとも言える。七尾城の門はどんな門だったのか想像すると楽しい。


 さて、城内に進むと私の今回の旅の目的。復元ゾーンに来た。感動するかと思いきや、心にズーンとくるものがない(驚)どうした!私!確かに朝倉氏一乗谷史跡など良質なものを見過ぎて目が肥えてしまったか。確かに逆井城の感動もズーンではなかった。
 まず残念だったのが、せっかくの復元建物が無造作に置かれているという点である。愛媛県松山市の湯築城にある武家屋敷復元ゾーンの写真をみてもらいたい(下の写真)

城壁、生垣、芝生とそれらしい背景が加わることで、一層復元建物が引き立つというものだと思う。建物の中も発掘調査品の展示などもないので(湯築城はある)残念だが…と考えながら、今回の旅のメインだっただけにガックリしていた。そんな時、この看板に出会う。

 あっ、そうだ。5個の復元建物のうち1つだけ窓もドアも少なく、形も長方形で無機質だった!なるほど倉庫として使われたのか!…ということは、この復元建物。すべてちゃんと発掘調査に基づいて間取りも復元しているのか!

 では、問題。この飛山城にある2つの復元建物の違いがわかりますか。違いはなんのためだと思いますか?推理してみてください。(ビフォーアフター風に)
<建物A>


<建物B>


・・・考え中・・・考え中・・・(平成教育学院風に)

はい、答えです。まず建物Bは縁側がある。さらに天井も高い。この違いは身分の違いだと思われる。建物Bの方が高級感があるのでか級武士の詰所であろう。実際、説明板に「主郭に入る木橋の前面に位置することから、城主を守る将兵の詰所と考えられます。」と書いてある。そういう細かいところを見ていくと、俄然面白くなってきた。


 これは復元建物の拡大写真ですが、何か感じません?
この建物の柱には礎石がない。そのため、この復元建物のことを「掘立柱建物」と呼びぶ(それに対して礎石がある建物は礎石建物…そのまんま…)。礎石がないと大きい柱が立てられないので、大きい建物ではないということがわかる。従ってこれら復元された掘立柱建物は、城主や武将などお偉方の建物ではないのであろう。主郭の発掘調査ってやったのだろうか…。


 この飛山城は6号堀まであり堀が6重になっている。当然1号堀の内側は主郭ということになる。主郭の背後は大きな川があり、天然の堀となっている。眺めもよく立地条件にも優れているなぁと感心する。ただ、主郭にしてはちょっと面積がせまいなあと思った。城主などの館は別の郭に構えられていて、戦時の時だけ主郭に拠ったのだろうか。

 さて、掘立柱建物の復元ゾーンを抜けると木が多くなってきた。そして、その奥に出てきたものは…これだ!1・2・3(ベストハウス123風に)

これは地震で土砂崩れが起き、土で押し流された建物…ではない。パンフレットによると「中世竪穴建物」とある。この場所からは地面を1.5m掘り下げて屋根を低くしたためにこのような建物になっていたようである。また、常滑の大甕などが出土していることもあり、貯蔵庫だったと推定されている。地面が低いことで中の温度も下がったことだろう。


 さらに進むと、「古代竪穴建物」があった。これは飛山城があった中世ではなく、奈良・平安時代にさかのぼる遺跡で、「烽子(のろしの番人)の詰所であったと考えられれます。」と説明板にあった。


 さらに、土塁→空堀→土塁を渡る土橋渡り体験ができる場所があったが、雨の日などは危険のため閉鎖しているようで、今回はしっかりと門が施錠されていてできなかった。残念。

 さてさて、たっぷり飛山城を体験したことで、もうすでに時刻も9時半になっているので「とびやま歴史体験館」に入館することに。入館は無料とホームページで調査済み。「体験館」ということからあまり展示には期待していなかったが、どうしてどうして、無料にしてはかなりの展示内容(ちなみに一部を除き写真OK)。


 下野の歴史のカンタンな説明だけでなく、先ほど私が説明した復元ゾーンの詳しい説明が写真つきで紹介されている。

 発掘された出土品として、かわらけや天目茶碗などは珍しくないが、茶臼や香炉などが出土しているのに驚き!茶道や香道をたのし高度な文化が飛山城にあったことになる。

 そしてもちろん飛山城の復元模型。一部しか模型になっていないのは発掘調査を全体的に行っていないためだろうか。音声ガイドつきのために室町・戦国時代の城の様子
合戦の様子がよくわかる。


 そしてそして!なんと言っても入館料無料なのに刊行物の充実!飛山城の詳しいパンフレット(100円)の他に今までの企画展示のパンフレット(各100円)で販売しており、これらを全部購入しても1200円しかかからなかった(驚)願わくば飛山城の発掘調査報告書があればよかったが…。市販で『飛山城跡』という本があり(ここでも販売していた定価1800円)、発掘調査と復元たてものの建築について細かく書かれている本があるので、それを参照してくださいということだろうか。

 というわけで、かなり多くの写真を掲載してのブログ投稿となった。この飛山城史跡公園はただボーっと眺めているだけでは何にも面白くないまま終わってしまう史跡である。ぜひ、往時の城の様子を想像して歩いて楽しんでほしい。

宇都宮の旅は後編に続きます。

営団地下鉄丸の内線

2009-08-10 17:27:00 | 鉄道

 この赤に白のラインが入った電車をみてすぐ路線を思い浮かべる人はいますか?私も小さいときに乗った記憶がかすかにある程度なんですが(あまり地下鉄に乗る環境に住んでいなかったもので)、この車体は色鮮やかだったのでよく覚えています。

 この電車は営団地下鉄(現・東京メトロ)の丸の内線に投入されていた300系です。東京都八王子市(大横町)のサイエンスドームという科学館に子どもと遊びに行く予定で行ったのですが、これが駐車場に展示してあってもう興奮状態!子どもと科学館の展示と、プラネタリウム(いやこれが結構面白い。アイマックスシアターのような大画面の映画館って感じ。今度宮沢賢治原作の「銀河鉄道の夜」をこのプラネタリウムで上映するようですが、予告をみるだけでも大画面の超迫力。今度行って見たい。)を見たあと、いざ300系へ。


 土曜・日曜日のみ中に入れるらしいのですが、いや迫力があります。この車両の形式は1953年から製造が始まったらしいです。ここに展示してある車両も1965年に製造されたものと書いてありました。それが、1992年まで活躍したというので、実働およそ30年弱!すごい!ただ、非冷房車両なので夏は蒸し暑かったことでしょう。
 300系の晩年は路線引退後、アルゼンチンのブエノスアイレスに活躍の場所を移したことは一部のファンには有名ですね。今も現役で第一線で活躍しているとのことです。最近の電車は軽量化のためにアルミボディーが普及しており、みな銀色のボディーにカラーラインと味気なくなっている。私は音楽センスも90年代至上主義だが、電車の形式も90年代が好き。特に中央線で活躍した201系。そろそろ中央線の三鷹-立川間の連続立体工事も完成するとのことで、完全引退も間近。丸の内線300系のように引退後の引き取り手もなく、201系は廃車解体とのこと…無念。

武蔵国衙跡

2009-08-07 19:52:00 | 歴史
 江戸時代の史跡っていっぱい残っているので、中世以前の史跡をみたい。「東京で気軽に行ける距離で中世以前の史跡ないかな…」と思ってインターネットで検索していたら…ありました!今日は2008年に復元公開された東京都府中市の大国魂神社のすぐ近くにある「武蔵国衙跡」のご紹介。


 「府中市」の名前からもわかるとおり、府中市は武蔵国の中心となる「国庁」があったところである。「武蔵国衙跡」のパンフレットによると、「国庁」とは国司の中枢施設で現代で言うところの東京都なら「知事部局」。「国衙」とは国の役所郡で、現代なら東京都都庁舎。「国府」とは、国衙を含め役人の館や、兵舎、学校などを含む都市機能のことで、現代で言えば東京都の新宿副都心。ということで「武蔵国衙跡」は、武蔵国の役所であった場所である。

 上記の写真の「武蔵国衙跡」は国衙の中心的な建物の跡となる場所である。建物の場所は地面が灰色で平面展示されており、建物の柱が復元展示されている。建物の無い部分は普通の地面になっている。写真の地面をよくみると、建物の側溝が砂利で示されているのもわかる。

 また、公道があるため柱などを再現することができなかったところは、下記写真のように公道に赤丸で示している。


 「武蔵国衙跡」には、発掘調査の内容を展示する「遺構展示館」がある。柱がどのように発掘されたのか、よくわかるようになっている(展示館はクーラーが効いていないので暑かった…)。


 展示館にはこのように、わかりやすいように柱の復元を説明してくれている。展示館には「武蔵国衙跡」のパンフレットが無料でもらえるけれども、こういった専門的説明はなぜか掲載されていないので、ぜひ展示館の説明を写真撮影しておくことをお勧めする。ふむふむ、掘立柱は奈良時代、礎石柱は平安時代かぁ。時代によって建物の建築もずいぶん違っていることがわかるなぁ。

 しかし、この「武蔵国衙跡」非常に小さい範囲の復元に留まっているが、その場所は府中市の中心部であり繁華街である。そういった意味で、これだけの復元施設を作ったというのは、やはり府中市の国府たる意気込みを感じる(と同時に府中市は東京競馬場などの利益で税金が豊かという事情もあるが)。また「武蔵国衙跡」はその発掘調査の内容から大型建物が整然と配備される様子がわかるなど奈良・平安時代の特徴をよく現すものであり、国の文化審議会が「国指定史跡」に指定する見通しを示した。今後の「武蔵国衙跡」の保存・整備が期待される。

 
 ちなみに、大国魂神社(おおくにたまじんじゃ)は府中市街にあるのに森林に囲まれている、大自然を感じることができる。きっと、市民の憩いの場所となっているのであろう。私が訪れた日はお祭りの露店の準備がされていた。


 なかなか歴史史跡めぐりは、お友達を連れて~なんてできない(歴史友達がそれほど近くにいない)。また、家族で歴史史跡といってもあまり奥さんが行きたがらないなど、史跡めぐりはどうしても、一人で行くことが多い。そこで、この「武蔵国衙跡」
に行くならお勧めのお店。「スパゲッティ武蔵野食堂」。府中駅からもそれほど遠くない場所で、店内も非常におしゃれ。といってもカウンターもあるので、一人でも入りやすい雰囲気である。私が頼んだのは「ゴルゴンゾーラのパスタ」とてもおいしかったし、店員さんの対応もすばらしくよかった。お勧めです!

和菓子のストラップ

2009-08-06 18:50:00 | 日記

 「新宿へ」というブログに「タカノフルーツパーラー」と「農家の台所」に行った話しを書いたけれど、私は新宿と言えば大好きなものがもうひとつ。「東急ハンズ」である。最近は結構家から新宿に行かなくてもいける距離にできたのだが、やはり新宿の登ハンズはデカイのでウインドウショッピングも楽しい。
 今回買ったのは携帯ストラップ。携帯ストラップってすぐに汚れちゃいませんか?だからそこそこの頻度で付け替えるわけですが、私は食べ物系ストラップが大好き。
 上記写真は「栗ようかんストラップ」ものすごくおいしそうじゃないですか?結構質感がいいので迷わず購入。しかも、色が黒系統なので汚れにくい…かな、と。もうひとつ写真に写っているのが「チョコバナナストラップ」。これは見えずらいかもしれませんが、ビニール袋に包まれているのでそもそも汚れない!


 そしてもうひとつ。ホットケーキのストラップ。これはよごれそうなので、使っていません。クァワイイ!

新宿へ 2

2009-08-06 00:14:00 | 日記

 これはなんだかわかります?前回のブログのタカノフルーツパーラーではありませんからフルーツパフェではない。

・・・実は・・・

野菜サラダ!・・・なのだ。

写真に見えているのは、キノコ、トマト、ナス、とうもろこし、サラダえのきなどなど全部が野菜のサラダ。このお店は新宿駅東口の伊勢丹の近くにある「農家の台所」というお店。

 店内に入ると、なにやら選挙広報のような看板が・・・。

 これは政治家の選挙広報ではなく、お店の野菜を作った人の「農家広報」だった!野菜ひとつひとつに農家の顔がみえるようになっている。

 料理はコースかアラカルトで選ぶことができるが、その一つ一つが丁寧に作りこまれていておいしい。で、最初の写真の「野菜サラダ」は上の写真にあるようにサラダバーで自分で何度でも取りに行くことができる。とうもろこしはすごく甘いし、ナスはすごくみずみずしい。ドレッシングががなくとも普通に食べられるほどのサラダだ(もちろんドレッシングはついているけど)。

 このお店で初めて食べた野菜が「ソルトリーフ」という野菜。一見すると水菜のような外見だけど、茎に氷の結晶のようなものがついていた。凍らせていたのかなと思って興味があるからサラダバーで手に取った。水菜のような外見から苦味がするのかな?と思ったけど、食べてみたらびっくり。食感はサクサク、ほんのり塩味がする。ドレッシングをかけるよりむしろ生で食べたほうがおいしい。これはなんの野菜か知らなかったので、お店で聞いてみたら「ソルトリーフ」というのは商標で、品種名は「アイスプラント」というそうだ。原産国は「南アフリカ共和国」で、砂漠に生えていて、海水で育つ植物だそうだ。

 すごくこの野菜に興味があったので、このお店で購入。1つ320円と意外と安かった。う~んやっぱり新しいお店を開拓すると、おもしろい発見があるなあと思う。

ソルトリーフに関するサイト
http://www.saltleaf.com/

新宿で行ったお店「農家の台所」のサイト
http://www.noukanodaidokoro.com/kunitachi/

 次の更新では、東京にある「武蔵国衙跡」に行きましたので、その写真をアップしたいと思います。また私は、都市の再開発マニアなので、駅前の再開発の写真もいずれアップしたいと思います。