ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

沼津御用邸での祝言挙式、テレビ放映されました

2008-10-05 02:25:47 | 能楽
今日は師家の別会でした。ご来場頂きました方には厚く御礼申し上げます。
ぬえは能『高砂・八段之舞』および能『木賊』の地謡で、合計3時間強の長丁場で、いや~、久しぶりに足が痛くて七転八倒状態させて頂きました。。(×_×;)

さて、かねてお知らせ申し上げました沼津御用邸での祝言挙式ですが、延期になっていたテレビ放映が、先日ついに放送されました。放送されたのは一昨日、10月2日の夕方6時過ぎ~7時までの静岡第一テレビのニュース番組の中の「特集」で、数分程度のワクだったようです。

いやまたこれが。ぬえにこの放送日の連絡が届いたのが当日の朝だったという。。(¨;) そのとき ぬえは国立能楽堂の楽屋におりました。申合を済ませてからメールを見てびっくり。もとより ぬえは静岡のテレビを見る環境にはありませんから、すぐに伊豆の子どもたちのお母さん方の何人かにメールをして録画をお願いしました~。みなさん、突然のことですんませんっ。

あとで聞いた話では、御用邸のお庭で『高砂』を舞う ぬえもしっかり映っているそうです。う~ん、今年はこれでテレビに登場するのは3回目。。なのですが、ぬえが自分の目で見たのは東京で放映された1回のみ。。あとは静岡のローカル局での放映だったので、どちらも ぬえ、見てにゃい。。

あ、そのうちの一つは、テレビ放映後にパソコンテレビの「Gyao」でも配信されています。すでにご案内したとは思いますが、興味のある方はこちらをどぞ~

いい伊豆みつけた #15 ひめの国・はなの国・伊豆の国 夏巡り篇

さて御用邸に話を戻して、この結婚式先週の9月23日に執り行われたのですが、まあ、絵に描いたような日本晴れで、御用邸に初めて足を踏み入れた ぬえとしましては、お庭で気持ちよく『高砂』を舞わせて頂きました。この日は装束を着けて舞うか! というところまで話が進んでいたのですが、挙式のタイムスケジュールの関係で着付の時間が取れず、やむなく裃姿で「神舞」だけを舞ったのですが、いや、案外ああいう場面では装束よりも裃の方が映えるかもしれないな、と思いました。いずれにしても新郎新婦さんには忘れ得ない結婚式になったことでしょう。おめでとうございます~~ Y(^^)

ところでその御用邸ですが、残念ながら戦災で主要な建物は焼失し、西附属邸、東附属邸が今に往時の面影を留めています。そのうち東附属邸は一般に貸し出されていまして、今回の挙式の会場となったのもここ。で、この日会場に到着してから ぬえは邸内と、それからお庭をしばらく散策しておりました。お庭は、セキュリティの問題もあるから、さすがに海を一望というわけにはいきませんが、それでも松が目立つお庭は海の間近に建てられた邸宅であることを感じさせます。

。。と、あれ? お庭にどこかで見たような建物が。。近づいてみると、なんと国宝「待庵(たいあん)」の写しの茶室でした。駿河待庵と名付けられたこの茶室。。国宝の三つの茶室に限らず名作と言われる茶室にはしばしば「写し」が作られていますが、海の間近というのはちょっと見たことがないです。松林に囲まれて、ちょっと深山幽谷の感じは出ませんわね。。

駿河待庵の画像

話はされに飛びますが、国宝「待庵」は京都に現存するものの、見学には往復はがきでの申込が必要なため、ぬえはまだ見たことがありません。上記「どこかで見た」ってのは写真集でありましょう。。(;^_^A 残りの二つの国宝の茶室は「如庵(じょあん)」と「蜜庵(みったん)」で、じつは「待庵」は撮影禁止、大徳寺にある「蜜庵」は非公開です。

見れない、と言われれば見たくなるのは『安達原』の間狂言と同じ心で、調べましたら、「待庵」はしっかり、「蜜庵」は1枚だけ画像が見つかりました。

待庵

「蜜庵」(記事の中に1枚だけ画像あり)

ぬえが見たのは岐阜県・犬山市にある、織田有楽斎作の「如庵」で、こちらはホテルの庭に移築されているためかとってもオープン。時期により一般公開されて内部に上がって見学もできます。それどころか! ウェブでは茶室内部のムービーまで見られるんですよね。

「如庵」

あ~今日は横道にそれっぱなしの話題でありました。。