ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

乱能の準備(その2)附・うさぎに芸を仕込んだ囃子方

2009-01-22 00:36:27 | 能楽
今日は乱能で小鼓を打つために、小鼓方の先生に稽古をつけて頂きました。

ぬえが小鼓の稽古を受けた、尊敬する穂高光晴先生はすでに他界。。そこで同じお流儀の先生に無理をお願いして稽古をつけて頂いたのです。中森さんの主催される乱能は5年毎に開催されていまして、前回の乱能でも ぬえは能『土蜘蛛』の小鼓のお役を頂戴し、同じ先生にお稽古をつけていただきました。あ~あれからもう5年も経っているのねえ。。

今回の ぬえのお役は能『邯鄲』の、やはり小鼓のお役です。そして小鼓の手付け(=譜面)は ぬえはもとより所蔵しておりますので、自宅ですぐに予習はすることはできるのです。がしかし。。。『土蜘蛛』と『邯鄲』とでは やはり難易度にとんでもない開きがありました。まずは手組を覚えるのにひと苦労。。穂高先生のもとで『邯鄲』の小鼓は稽古したはずなのですが、そしてその当時よりも、その後地謡に何度も出て経験を積んでいる分だけ謡は隅々まで覚えているはずなのですが。。それでも『邯鄲』は地謡の拍子当たりも、囃子の手組も、ややこしいところがたくさんあって。

そのうえシテが舞う「楽」の小鼓の手組が。。ああああぁぁぁ、こんなに複雑だったっけ??? 毎週のように小鼓の稽古に通っていた書生時代は苦もなく覚えたのに、今回久しぶりに覚え直したら、今回は「楽」も少し短くなるっていうのに、もうその手組の複雑さに翻弄されっぱなしでした。

そんなわけで、今日の稽古はあっちで蜘蛛の巣に引っかかり、こっちでラビリンスに迷い込み。。4回? いや5回は間違ったのではなかろうか。。こんなはずではなかった。。やはり稽古というものは、止めてしまうと確実に腕が落ちるものですね~。。

さらにさらに。能一番の鼓の稽古を受けたら、もう左腕が痛くて痛くて。。書生時代は鼓も楽に打てたけれど、もう身体までついていかないのかい。あ~~情けない。。まだ乱能当日までは2週間近くありますんで、もうちょっと身を入れて稽古しよう。。(・_・、)

しかしまあ、やはり囃子は面白いです。ぬえはシテ方の中でも囃子にはオタクの方だと思うけれど、今日は鼓の「手放れ」(革を打つためにどういうタイミングで手を下ろすか)のお話とか、替エの手組のこと、それから大鼓や太鼓の流儀によっての手組の合わせ方など、興味深いお話をたくさん伺うことができましたし、何といっても四拍子のアンサンブルの中で鼓を打つのは、やはり楽しいですねっ

閑話休題。

じつは囃子方の友人の一人が うさぎさんを飼い始めまして。しかも耳が垂れたロップイヤーなんですって。(*^。^*) これを聞いたのが昨年の暮れあたり。ところが先日ある楽屋で彼とまた会いまして、そしたら、なんと! うさぎさんに芸を教えたんですって。(#^.^#)

「え?え? 芸? なにができるようになったの???」
「バンザイです」
「ええええぇぇぇぇ、バンザイ??」(O.O;)
「はい。一緒にやるんですよ。バイザ~~イって」Y(^^)ピース!
「。。。。」(´。`)

そしたらもう、ぬえの頭の中にはバンザ~イって両手を上げてる うさぎさんの想像図がグ~~ルグルまわっちゃって。。(×_×)(*^。^*)(゜_゜;)(^o^)
このまま引きずって、地謡に出ていてニヤけてしまったらどうしよう (ノ><)ノ ヒィ ってぐらい困りました。。

ふ~~ん、芸ってできるんだあ。。いいこと聞いた。。ヘ(;^^)ノ