ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

東北・宮城にやって参りました。

2011-08-14 19:17:50 | 能楽の心と癒しプロジェクト
昨日、伊豆の稽古を終えて帰宅してから、今度は深夜に出発して無事東北に到着しました。

昨日お知らせしたように、今回の訪問は避難所での能楽ワークショップです。ぬえの思いつきに友人の能楽師2名がボランティアとして参加してくださいました。まずは彼らと深夜0時に北千住駅前に集合。そこから東北道をひた走って、一関までたどり着きました。

被災地に ぬえと同じような思い入れを持っている彼ら。やはり支援物資を送ったり募金はしていたそうですが、それ以上のことはできないか、と考えていたとのこと。そこで避難所での能楽ワークショップは明日なのだけれど、やはり被災地の現状をその目で見ておくことは大切と思い、1日早く現地に入りました。

当初は仙台あたりに早朝に到着してそこで仮眠をとって、いくつかの被災地をまわるつもりだったのですが、意外にみんな元気なので、がんばって一関まで…約500kmを交代で運転して…到着した頃にはもう夜は白々と明けていましたので、そのまま高速を降りて走り続けることになりました。

ぬえが前回訪れた気仙沼は、あれから1ヶ月半が経ちましたが、瓦礫もだいぶ撤去されて、ずいぶんきれいになったようでした。トップ画像がそれで、きれいに片づけられた南気仙沼駅の様子です。

また焼け焦げたり陸に打ち上げられた船も、もうほとんどが撤去されたようで、それを運んだのであろう、びっくりするような大きなクレーンをつけた台船が港に泊まっていました。ぬえが前回感じた、なにか、良くないものの影もだいぶ薄れてきたように思います。着実に進む復興…まだまだ道のりは長いと思いますが、一歩一歩進んでいる実感を得ることができました。



それに対して気仙沼線の列車の線路は、ズタズタのままでした。前回 ぬえが見た、道路をまたぐ線路の、そのまた上に乗り上げた家屋の残骸も、まったく同じ状態で残されていました。こういう、生活の場と直結していない場所の復興はまだまだ後回しになっているのですね。ぬえたち一行は気仙沼から南三陸町、女川町と進んでいきましたが、同じように、市街地から離れた集落の瓦礫はそのまま残されている箇所がまだまだ多くあります。一日も早く復興が叶いますように。



ぬえたちは結局昨夜からほとんど眠っていないのですが、とりあえず塩竃市の宿に到着し、これから明日の成功を祈って乾杯し、デモンストレーションの詳細を詰めることにしています。明日天気になれ~(^。^)