ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

湊小学校で活動する人々

2011-08-27 02:03:51 | 能楽の心と癒しプロジェクト
ぬえたち能楽師有志一行が湊小学校で行った能楽ワークショップの模様が、石巻市の避難者支援市民団体・明友館のサイトで報告して頂きました! →能楽ワークショップ IN 湊小学校

ところで湊小学校でボランティアとして活躍しておられる方々の事は以前にお知らせしましたが、今日はもうちょっと突っ込んで、避難所というところはどのように運営されているのか、どのような人々の力で動いているのかをお知らせしてみたいと思います。

チーム神戸…こちらは ぬえのブログでも何度もご紹介しておりますが、湊小学校避難所の中枢と言っても過言でない大活躍を続けておられる市民団体。その名の通り神戸を中心とした関西からお出でになっておられるのですが、じつは今回の東日本大震災のために混成で結成されたチームのようです。この中心となっているのが「すたあと長田」というボランティア団体で、これまた想像される通り、阪神大震災をきっかけとして結成されたのですね。

すたあと長田サイト
湊小学校チーム神戸ブログ

もちろん石巻市の職員も湊小学校に常駐しておられるようですが、もとより市内100カ所に近い数の避難所の運営は市の職員だけでできるはずもなく、事実上こういった全国から集まった心ある人々によって支えられているのですね。そういえば ぬえも再三お世話になった明友館も、じつは避難所なのです。そうしてそこのリーダーの千葉恵弘さんも被災者であり避難者です。震災当時、津波の襲来から逃げ延びた人々は、市が事前に決めた避難場所に集まり、それがそのまま避難所となって、この半年を生活の場となった場所も多くあって、湊小学校もその一つのようですが、明友館はそれとはちょっと違っていて、避難者がとりあえず身を寄せた場所が、そのまま避難所となったようです。言うなれば「私設」というか「非公認」というか…そういう避難所もあるのですね。

でも、ぬえが見たこの二つの「公・私」の避難所はどちらもバイタリティあふれた、復興…どころか以前よりも熱い町にしてみせる! というような意気込みや熱意をひしひしと感じた場所でありました。それは…なんか、ぬえから見て うらやましいほどの情熱です。とくに湊小学校で活動している人々は、ぬえがはじめてこの避難所を訪れた際には神奈川県やピースボートのボランティアの人々もおられましたから、時期によって多少の入れ替わりはあるとはいえ、常に県外のボランティアで賑わって(?)いました。一度、まがりなりにもそのお手伝いをさせて頂いた ぬえは、その活気に引き寄せられるように、再訪を願ったのでしょうね。

で、湊小学校の面々。前にも書きましたが、6月に湊小学校を訪れた ぬえは、それから1ヶ月半後に再訪して、ほとんど同じメンバーが変わらずここに常駐しているのを見て、本当に驚きました。6月に作業しておられた自衛隊はすでに去り(それによって炊き出しがなくなり、被災者への食事の提供も民間ボランティアによって支えられている現状です)、今回はピースボートの方もお見かけしませんでしたが、それでも6月と同じ場所で、同じように作業している方がある…衝撃的でした。あの若さで…いや、若いからできるのかもしれないけど、文句や不平も言わずに良い雰囲気のまま、ただ当たり前のようにそこで生活をするように、支援活動をしている…

そんなわけで、たった2度しか湊小学校に行っていない ぬえの事を覚えておられるはずもないけれど、ぬえにとっては印象的だったボランティアさんのことを 勝手にご紹介しようと思います。

以前、→こんな記事で、湊小学校で自転車修理をしていた青年のことをご紹介しました。真っ黒に日焼けして、上半身は裸のままで。

この方、ちゅんさんと呼ばれている方で、なんと4月に京都から石巻にボランティアに来られて、以後ずうっと湊小学校におられるらしい。そうして、いまや被災地の重要な「足」となっている自転車のケアをしておられるのですね。

被災地ではいまだに道が悪いために、せっかくの「足」である自転車も しばしばパンクなどのアクシデントが起きるらしく、ちゅんさんはその修理をひたすら行っているのです。

それだけなら、まあ「なるほど、そういうボランティアさんもいるのかあ」で終わるのですが、この方、才能はそれだけじゃないらしい。