ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第16次支援活動<気仙沼市・登米市>(その1)

2013-10-03 22:04:53 | 能楽の心と癒しプロジェクト
え~、例によってとっても遅いご報告ですが。。「能楽の心と癒やしプロジェクト」では8月中旬に宮城県気仙沼市および登米市にて支援活動を行ってまいりました。

今回もNPO法人JIN'S PROJECTさまとの共催という形を取らせて頂きました。JIN'Sさまには大変お世話になり感謝しております。また今後もともに手を携えて東北のみなさんのために活動を続けていくことになっています。乞うご期待。

また今回はいくつもの特筆すべき活動がありました。ひとつは7月下旬に石巻で行った、ピアニストを入れた『能とピアノの夕べ』公演の替えバージョンの催しを、気仙沼のお寺の枯山水庭園で行ったこと。次に初めて登米市の本格的な能舞台で活動を行ったこと。そうして気仙沼の2カ所の仮設住宅での活動では、気仙沼市民の協力を得て能楽公演だけでなく住民サービスの活動を行ったこと。これらの活動のどれもすべてが、これまでの活動では行ったことのない、初めての試みの連続でした。そしていずれの活動も成功裏に終わることができました。ああ、やってよかったな~と思える活動になったのは本当に幸せなことです。ご協力頂いた関係諸氏に心より感謝申し上げます。

【8月15日(木)】
この活動の前、ぬえは東京でスケジュールが立て込んでいまして、この日も ぬえは東京で稽古能2番、それから秋にあるお役の斬り組みの稽古を終えて、さて自宅に帰って、夕方近くなってからようやく車で出発。気仙沼に到着するのは深夜になってしまうので、笛のTさんに事前に気仙沼に入ってもらい、定宿に先にチェックインして頂きました。ぬえは、結局JINSのリーダーのJINさんと一緒に気仙沼に向かったのですが、まあまあ深夜にはならずに到着、早速にJINさんと「気仙沼ホルモン」を食べに、先日も行ったお店にまた行って、宿にも無事に入ることができました~。よかったよかった。

【8月16日(金)】
この日から活動開始。写真家のM氏がこの朝 高速バスで気仙沼に到着することになっていたので、これまた例によって睡眠障害の ぬえが朝5時に起きてバス停がある気仙沼市役所前へ。

M氏は夜行バスは初めてだったそうで、あまり眠れなかったとのこと。そうでしょー。ぬえも今年はじめて夜行バスに乗りましたが眠れなかった。。あ、それは睡眠障害だからか。で、ちょっと大変だとは思ったけれど、宿では宿泊客以外は入館禁止、ということだったのでMさんには宿で休んでもらうわけにもいかず、早朝に気仙沼の被災地区を案内することにしました。

南気仙沼駅。。もう草が生い茂ってしまって、プラットホームさえ見分けられないほどに。このプラットホームは瓦礫の撤去のための車両が通行するのに邪魔だったのか、震災の年の秋頃でしたか、突然中央部分だけ取り壊してなくなってしまいました。



内湾地区。埋め立て地で、水産加工工場の大きな建物や、駅の周辺は歓楽街だったそうですが。。瓦礫を撤去して岬の突端部分まで行けるようになったのは、震災後1年近く経ってからのことでした。今でもその突端部分には津波のために壊れた建物の鉄骨が残されていました。



もう少し内陸に入った地区では、壊れた家屋も残っているのですが、それも もう数えるほどになってしまいました。



そうこうしているうちに、最初の活動場所である「鹿折中学校住宅」へ楽屋入りする時刻が近づいてきました。コンビニで弁当を買って食べて、宿に帰ると笛のTさんも起床していましたので、別の宿に泊まったJINさんも拾って、一路鹿折地区に向かいました。