あの頃わたしは命の瀬戸際を渡っていたように思います、振り返ってみれば。
わたしの生きる力が、生きようとする力が、あの頃、限りなく細く小さくなっていたように思います。
よくぞよくぞ渡り切れたなと思います。おしまいにならなかったのです、結果的には。
それがあって、今があります。命の緒が途切れることがなくて済んだのですから。
あのとき、たくさんのたくさんの手が差し伸べられていました。それにつかまっていたからこそでしょう。みなさんの善意のおかげです。
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手を取ってくださった多くの医療従事者、献身的努力を重ねて下さったドクター、やさしい看護婦さま、忍耐強いリハビリの指導者さま、そのほか目に見えぬところで様々にお力を分けて下さった方々に、いまもなお感謝を覚えます。