「もう夕暮れ」 山鳩暮風
わたしを生かそう生かそうとしている力のようなものを感じる
わたしを守ろう守ろうとしている力のようなものを感じる
わたしを助けよう助けようとしている力のようなものを感じる
わたしを導いていこう導いて行こうとしている力のようなものを感じる
感じていようといまいとそれは不変であるだろうが
それをそう感じて涙ぐんでいる
わたしに向かって押し寄せて来るその全体の力のみなもとを
しっかり見据えて把握する力はわたしにはまだないのだが
もう夕暮れだ
山が静かに夕暮れて行く
空が静かに夕暮れて行く
みんなみんなわたしを生かそうとして夕暮れて行くようで
忝くてならなくなって
わたしはわたしの涙の小川の岸辺に
一本の小さなmodestyの木を植えてみる