不思議で不思議でしょうがないのだけど、

薔薇ノ木ニ

薔薇ノ花咲ク

ナニゴトノ不思議ナケレド

 

北原白秋「薔薇二曲」

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薔薇の木に薔薇の花が咲くことが不思議で不思議でしょうがないのです。

 

 

いえ、なんでもかんでも不思議で不思議でしょうがないんです、作者には。

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人が人をして此処にいるのも不思議で不思議でなりません。

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人のまわりに空気があるのも不思議でなりません。

 

 

解明ができないのに、しかし、人がいます。そしてその人の周りには空気があります。

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解明ができないのに空気があっていいものか、これは謎の謎です。

 

 

宇宙があるのも不思議ですが、宇宙に星が輝いているのも不思議です。その星を人間が見ています。不思議な顔をして見ています。

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わたしたちのいるこの世界は、すべては無解明なままで成立しています。これもゼッタイゼッタイ不思議です。

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しかし、この世界のことはみんな知っているような顔をしている人だらけです。誰も誰も、一人残らず賢者の顔をしています。

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そうしていられるようにしてあるのも、やっぱり不思議です。