1
いつ死んでもいいか よろしい 昼寝する
2☆
わはは、は。太平楽を言う。これも落選した川柳。川柳がどういうものなのか、己は分かっていない。分かっていないから、当然落選する。宜(むべ)なるかなだ。
3☆
「いつ死んでもいいか」と己に問いかける。己が「いつ死んでもいいぞ」と答える。そうやってそのうち昼寝をしている。
4☆
昼寝をしているときに息が絶えていたらよかろう。苦しまないでよかろう。死は苦しい。苦しまないで死が実現していたら、こんないいことはない。
5☆
「死んでいいか?」と、問う暇(いとま)もない。だから「嫌だ」もない。「よろしい」の受諾もない。
6☆
そういうものだろう。死んでいいか? 死んでいい。嫌だ、死にたくはない。そのどちらの答えも、虚しいからだ。答えたとおりになるわけではないからだ。
7☆
なるべくしたなる、のだ。逃れられない。早晩、死ぬ。抵抗などできない。成されるとおりに成っていく。それしかない。どんなお金持ちでも権威者でも、抵抗ができない。
8☆
だったら、そうと決めて、昼寝をするに限る。己が知ったことか。目が覚めて、生きていたら儲けもの。死んでいたら、そのときにはもうどんな判断もない。判断をする脳は働いていない。
9
どうにもならないことを、どうにかしようとして悩む。苦しむ。どうにもならないことであれば、打つ手はない。打つこと打つこと無駄打ちになる。
10
一生涯、それをそうして過ごす。どうにもならないことをどうにかしようとし、過ごす。それよりは無心になっていた方が、ずっと賢明だ。疑問を放下して昼寝をする。まさしくこれが上の上の策なのである。
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