<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

王維の詩を読んでしばし安んじる。

2025年02月23日 17時19分43秒 | Weblog

「酒を酌みて裵廸(はいてき)に与う」

王維

 

酒を酌みて君に与う 君自ら寛うせよ

人情の翻覆は波瀾に似たり

白首の相知も猶 剣を按じ

朱門の先達 弾冠を笑う

草色 全く細雨を経て潤い

花枝 動かんと欲して 春風 寒し

世事 浮雲の如し 何ぞ問うに足らん

如かず 高臥して且つ 餐を加えんには

酒を酌んであげますから、まあまあ少しゆったりとしたらよかろう。

当今、人情の薄さは、海の波のように反覆を繰り返すようなもの。

旧知の間柄でも剣を取って戦う始末。

豪華な家に住む者も、冠の塵を払って来客をあざ笑う有様。

自然界の雑草のように我等は細い雨に濡れているばかり。

牡丹の花が開こうとしているのに、つれなくも春風が冷たいなあ。

世の中は浮雲。てんで話にもならぬ。

だから、此処では枕を高くして安らい、君と一緒に、うまいものでも喰うとしようではないか。

裵廸は王維の友人。王維を訪ねて来てくれたのだろう。そこで一杯となったようだ。互いにぐちゃぐちゃ世の中の不満をぶちまけて。いや、ぶちまけたようにして、そこを遙かに凌駕して、高枕して、安んじて。

ときどき仏教詩人の王維の詩に戻って来る。そして賛同する。それからしばし老荘の隠者にでもなった気分になる。

 

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