毎週の新刊をチェックする職場ですので、「これは面白いな~」と思える本と出会うときがあります。
「昭和ちびっこ未来画報」は目を見張ってしまいました。
1950年代から1970年代(おおまかにいえば、昭和30年~昭和50年前後)に発刊された、子供向けの雑誌に今から50年後、100年後の未来予想図が掲載されていました。
三丁目の夕日に出てくるような昭和30年代(1958年頃)から50年後はちょうど現代。
この絵を描かれた時代から見れば、私たちは未来人ということになります。
暮らし、交通、ロボット、コンピューター、宇宙、終末の6項目に分けての紹介になりますが、「おお~!50年前では妄想していたことが今の時代では実用化されているものがあるな~」と感心しながら読んでしまいました。
50年前のテレビ電話予想図は、テレビのようなモニターをアナログ電話機に接続し、お互いに顔を見ながら会話する絵でした。
スマートフォンやipodの端末とWiFi(無線LAN)の環境さえあれば、世界どこでも顔を見ながらリアルタイムで手話ができる時代になりました。
ビルの屋上にヘリポート設置、ヘリコプターで移動できる絵は、実用化。しかし、空飛ぶ自動車は現実化できず。
1950年代に思い描いていた魚の群れを探り水中や水底の状態を測定分析する魚群探知機はすでに1980年頃から実用化。
空中飛行鉄道のモデルは、今の千葉モノレールかな。自分が歩かなくても、移動してくれる「動く歩道」は東京駅の京葉線ホームで実現化。
おや?と思えたのは、全自動食事製造機。ボタン1つで、自分の食べたいメニューを機械が料理してくれるシステム。これは今から100年後の2112年では、現実化できそう。
台風が襲ってきそうになったら、台風を撃退するマシンも出てくるだろうという構想はなかなか現実できません。今の時代になっても、自然の力にはなかなか勝てませんし・・・。
昭和30年代の人が50年後を思い描いたファッションは上下つながったピチピチの「つなぎ服」のようなものばかり。これは残念ながら、未来人にとってウケる衣装ではありませんでした。(笑)
50年前が思い描いた未来の郵便は、ロケットのようなものを飛ばし、遠方でも即日配達。
携帯電話のような電子メールという、発想はなかったみたい。
上映中の三丁目の夕日’64に関連付けるかように「写真と資料で読む昭和39年大図鑑 三丁目の夕日の時代’64編」が発刊されました。
1964(昭和39)年は東京オリンピック開催年であり、世界中の人たちが東京にやってきます。
汚いもの、危ないもの、恥ずかしいものを海外の人には見せるわけいかないので、急ピッチで首都高速敷設、東京モノレール、東海道新幹線開通。汲み取り式の和式は海外からのお客さんに対しては恥だからと洋式に下水道はこの頃から普及。昭和39年は日本が最も輝いていた時代かなと思います。